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静謐な水竜×血を呪う美魔の、運命に逆らう恋物語
愛する人に破滅を齎す己の呪いに長年苦悶する、ドラゴンギルドのバトラーであるジュスト。
幼い頃ジュストが発した焔花による火災を、毎回消火して以来彼に対し、異様なまでに執着する水竜フォンティーン。
二人がドラゴンギルドで共に過ごして19年。“青い月” “水竜の涙” “瑠璃の泉” “天藍石”美魔の呪いを解く鍵がそれらである事を突き止めたジュストは、300年に一度しか現れない青い月が昇る時を前に焦りを覚える。
というわけで、今回はスケベな兄さん(鴇さん曰く)ジュストと、変わり者の水竜フォンティーンのお話でございます。今までもちょいちょい出てきていた二人の過去と深い絆が、やっと見れました。ジュストのイメージは、女王様タイプでてっきりフォンティーンを手玉に取っているのかと思っていました。んで、ビッチが苦手な私はちょっとビビりながら読み進めていたのですが、実際のジュストは想像以上に自分の感情を抑え込みながらストイックに仕事をこなしていました。美魔は淫魔から派生した魔物である為、ジュストも春の間は精液の摂取をする為男娼を買ってはいますが、挿入はなしなのでビッチではありません!
大好きな人にそれを伝えられないもどかしさは、さぞ苦しくて悲しかったことだと思います。
フォンもよく我慢したねぇ。愛するジュストはフェロモン振りまきながらも、挿入は許してくれないから、素股で19年かぁ。サムライというか、もはや修験僧並みの忍耐です。
あと、パパであるリーゼの男前っぷりにも感動しました。
口は悪いけど、息子であり部下であるジュストのことをフォンティーンと同じか、それ以上に慈しんでいたんだなぁ。まさに理想の上司だと感じました。
・・・うちの職場のボスにも見習っていただきたいわ。
フォン「ジュストは私がもらう」
リーゼ「息子はやらん」
のやり取りを延々繰り返す二人の小競り合いは見ものですw
ドラゴンギルドシリーズの今までの巻では、ギルド全体を揺るがすトラブルが起こってきましたが、この巻ではジュストの出自とそれにまつわる問題がメインでした。
ジュスト一人を掘り下げているので、個人的にはより感情移入しやすかったです。
過去作の登場シーンを読んだ時は、ジュストはいわゆるビッチ受けなのかな?って印象を受けましたが、実際はすごく孤独で健気な子でした。
深い孤独を抱えているジュストを、攻めのフォンティーンがちゃんと包み込んであげていて良かったです。まぁ、運命の相手だと思ったら相手が子どもでもお構いなしに所有行為(さらったり、鱗つけたり、交尾したり)しようとする竜の本能には、人間の私からしたらちょっと引いてしまうものがありますが(笑) 竜だしね!仕方ない!
そしてリーゼパパ。リーゼとジュストのすれ違いのほうが個人的にはグッときました。
リーゼは昭和の不器用親父よろしく、子どもの扱いが下手。 あれはジュスト怖がるよ…。もっと優しくして~!
なんて思ったりもしましたが、不器用なりに親としてジュストのことを気に掛け続けていたんだな…と温かい気持ちになりました。
そして実は結構親バカだったんだな(笑)
呪いも解けたことだし、これからはより親子の絆を深めていって欲しいなと思いました。
面白かったです。