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『切ない系ですれ違いもの』(あとがき)が書きたいということで書かれた本作。
砂漠もののわりには、たしかに切なかったです。
もちろん砂漠もでのお約束、拉致監禁、無理矢理、お道具、まわりに人がいる、オークションにかけるぞ~……と、好き勝手やっちゃってますが、それもこれも3年前に身を引いちゃうときに酷い言葉を投げつけ、その間好きなんだけど恨みが増加していったから……なんです。
好きなんだけど、その言葉が言えないんです、二人とも。
気持ちをほんの少し言えば、こんな哀しい話にはならなかったんだけど、王子さまという立場やいろんなしがらみが、そうさせてくれない。
響貴と知り合った時、アシュラフはまだまだ子どもで、勢いだけで愛を成就させることは出来ませんでした。
裏切られたと思いこみ帰国したアシュラフは、いろんな意味で大人になろうと懸命に努力したんです。
また、響貴も大人になりきれず、アシュラフへの愛を切り捨てることも出来ず、ずっとアシュラフだけを想って過ごした3年間。
3年間というインターバルがあったからこそ、父やハマドに響貴への愛を認めさせることが出来たわけですから、無駄な時間ではなかったんです。
いつもの砂漠ものテンプレとはちょっと違っていて、すれ違って切なくて、こんな砂漠ものもアリだなぁ~と思いました。