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表題作そして恋がはじまる(2) いつか青空の下で

浅海(あさみ)
司法書士
未樹(みき)
大学生

あらすじ

大学生になった未樹(みき)と、司法書士の浅海(あさみ)が出会って1年半。受験から解放された未樹は、週末ごとに浅海の部屋を訪れる。甘く情熱的な彼との行為に、翻弄され溺れていく未樹。本当は朝までいたいのに、家族を気遣う浅海の配慮が、未樹は少し不満で…。そんなある週末、日帰りのドライブを楽しんだ二人は、別れ際の抱擁を母親に見られてしまい!? ピュアハート・ラブ感動の続編!

作品情報

作品名
そして恋がはじまる(2) いつか青空の下で
著者
月村奎 
イラスト
夢花李 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
そして恋がはじまる
発売日
ISBN
9784199003103
4.1

(38)

(16)

萌々

(14)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
157
評価数
38
平均
4.1 / 5
神率
42.1%

レビュー投稿数5

モラトリアムの中で…

「そして恋がはじまる」の続編。
いや~良かったです!前編が結ばれるまでって感じだったので、きっと続編はラブラブ生活編って感じなのかと思っていました。
でも、これが!やっとCPとなった二人が更なる試練に立ち向かう感動のお話でした。

浅海と未樹が付き合い初めて約1年半。
未樹は週1回の逢瀬でも物足りなく感じさびしくなってしまうくらい浅海に気持ちをもっていかれて浅海にもわがままを言ってしまう。
そんな未樹のわがままが原因で、家族に二人のことが知られてしまいます。

いい子だった未樹が途端に悪い子になってしまったくらいの衝撃を受けた両親はそれを受け入れることができません。姉のまなかは未樹を理解しなんとか取り成そうとしますが…

養父母のショックは当然のことながら、認められないとしつつも受け入れなきゃいけないと未樹を想う気持ちに泣きました。
反対に実母の自分せいでこうなったからカウンセリングを受けさせてでもと思ってしまう苦しい気持ちには切なすぎて辛くなりました。

浅海がとても真摯な態度で養父母に接したこと、最後には未樹が実母にきちんと自分の言葉でこれは病気でもなんでもなく浅海さんが好きだと気持ちを伝えたことに感動しました!!!
そして、二人の深い絆にとても幸せな気分にさせられました♪

4

カミングアウト

完全に続編なので先に前作を読んでからじゃないとキツイです。

前作から一年半、高校生だった未樹〔受〕は大学生になっていて、そして浅海〔攻〕との密かな逢引を繰り返していたんですが、ある夜に車で送ってもらってきてキスしている所を母親に目撃されてしまいます。
そして未樹は家族に男性と付き合っているとカミングアウトをし、浅海はちゃんと両親に挨拶にやって来るのですが流石に温かく迎えられる筈もなく……。
でも未樹の両親、といっても本当の両親ではなく未樹を養子にしてくれた叔母夫婦に当たる訳な義親は、未樹と浅海の事を許しはしないけれどヒステリックに怒る事もしません。
この作品に出てくる登場人物は皆、基本的に優しい人達ばかりなのですね。
未樹を心配しているからこそ、反対したりもするけれどそれが愛情故と分かる。

未樹の真っ直ぐさも良いのですが、浅海の年下の未樹に対する言葉遣いが相変わらずずっと丁寧なままなのが良いんですよね。
もっとずっと一緒に居たいという恋の切なさや両親の愛情や、それでも浅海が好きと言ってのける未樹。
浅海の静かで暖かな丁寧な言葉遣い。
それらが相まって全体的にどこか温かな空気感をもって書かれている、そこが好きです。

1

けなげな2人を応援してしまいます

そして恋がはじまるの続編で、大学生になった未樹と司法書士の浅海(あさみ)のその後です。
カミングアウトして家族に認めてもらえるようになるまでの、こちらもなんとも切ない作品です。いつか青空の下手をつないで歩きたいねっていう本当にささやかな願いなのですが、これがなかなか大変なのです。
でもなんとか家族にわかってもらおうと2人で誠意をつくします。その辺のBL作品だったら家族をすてて出て行くだろうに、月村作品は違います。
最期まであきらめません。けなげな2人を応援しながら、涙がこぼれました。許してやろうよ、父ちゃん、母ちゃんって・・。

2

周囲の動揺と反対の中で

タイトルからもわかる通り「そして恋がはじまる」の続編。順序通りに読むことをお勧めします。

本作は前作の1年半後、未樹は大学生。
未樹は両親にも姉にも実母にも誰にも、浅海との恋愛関係を打ち明けていません。
未樹は嘘をついているという罪悪感を感じながらも、このままぼんやりと何事もない今の感じが続けばいい、と思っている。
しかし、この続編はリアルな困難を未樹に突きつけてくる…

浅海との恋愛がバレます。
家族の修羅場展開。
育ての父母、産みの母。みな動転して、未樹の恋を認めない。
それは彼らの道徳から。
それは彼らの規範から。
それは彼らの世間体から。
何より彼らの愛情から、なのです。
わかってはいたけれど、未樹は押しつぶされる毎日。
(姉は味方なんだけど、無神経で読んでてイラつくわ…)

未樹応援なので両親たちの態度に憤るけれど、私も同じことをしているのでは?
家族に、他人に、自分の規範を押し付け当てはめ、断罪したり「更生」させようとしてはいないか?
そんな事を突きつけてくる。
従来のBL作品なら、未樹は浅海との未来を選んで、自分の家族/過去を振り切って、という展開があると思う。
しかし本作は、これからも色々あるだろう、それでも対話を続けていこう、それまでは自分も家族の中で寄り添って行こう、という展開。
それは飛び出すよりもある意味困難でハラを括った選択なのだと思う。
そしてそれは浅海といる安心感があってこそ。
2人なら今は偏見があっても、いつか青空の下で。
そんな希望と未来を見つめている2人の姿。
そしてこの作品は、未だ周囲の許しの無い現在の時間軸のまま、ただ未樹の、ずっと浅海との恋愛関係を続けるのだ、という決意と覚悟で終わります。
それはまだ未来にあるかどうかわからないハッピーエンドの前段階の「リアルエンド」。
この作品は2003年発表。しかし今世界は変わっている?うん少しは。
どこかの誰かの同性婚は応援できる、でも自分の息子/娘の同性愛は認められない世界じゃないかしら…
浅海との恋愛関係で強く大人になっていく未樹の姿。応援したいね……

2

続編が出るとは

一冊目がいい話だっただけに、続編が出たのにはびっくりしました。
しかも、内容はちょっと深刻な家族へのカムアウトで、BLはある意味、ファンタジーなので、そんなリアルなネタにいかなくても、と微妙な気分。
ただ、それでも出来は悪くないと思います。

主人公の実母の身勝手さが、妙にリアリティがあって、本当に嫌だったですね。
このあたりが月村さんの怖いところだよな、と。

1

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