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ミルククラウンシリーズのスピンオフです。
希がバイトをしているジャズバーの店長・東埜義一×希の叔父・雪下玲二のお話。
とにかく玲二はミルククラウンシリーズでも、大好きなキャラでした。
優しくて華やかで、壊れた希を一つ一つ拾い上げてくれた人です。
いかに希を大切にしてるかがわかります。もしかしたら高遠よりも(笑)
義一の方はつかみ所が無く、いつも飄々としていて頼れる大人ではあるけれども、どこか冷めた瞳をしている男です。大学時代はクラッシャーと呼ばれており、現在は「L.C(壊し屋)」という裏家業をしています。
義一と玲二はもう長い恋人であるようですが、実は数年別れていた時期が。ちょとびっくりしました。
高遠と希のことがきっかけで、また再び寝るようになった二人。
この『ビターショコラの挑発』は、ずっと何かを壊し続ける義一を心配し、少しずつ疲れを感じる玲二の心情が繊細に書かれています。玲二の過去の回想から、現在に至るまでの心理描写に「神」とさせていただきました。
本当はもう危ない裏家業は止めて、ずっと自分を見ていて欲しいと願う玲二。だけどそんな執着を見せたら、義一は重いと感じるかもしれない。だから数年前も義一から逃げた。
「逃げた」と思っていた。しかしそれは義一に「逃がされていた」のだと、玲二が気づく場面がクライマックスに来ます。そこまでの持っていき方も「神」だと思いました。
義一の行動は全て玲二に起因している。玲二が大事にするものは、自分にとっても大事。反対に玲二を煩わせるものがあれば、容赦なく排除しようとする義一を怖いと思ってしまいました。
玲二が信じていなくても「愛している」と言い続ける義一。器量が大きすぎて、もう義一の本質が見えません。
そんな義一の深すぎる愛情を知ってしまった玲二は、ようやく本音をぶつけます。崎谷はるひさんの後書きにもありましたが、この二人は会話が足りてなかったようです。
この作品は、義一の裏家業が原因で起こる事件よりも、二人の恋人としての長い歴史に目が行きました。
そしてまた、希が手元から離れて行く寂しさと、その希を自分のもとからさらっていく男への複雑な感情。連れていくのならば、奪っていくのならば、どうか希を、希だけは大事に、幸福にしてあげてと祈る玲二の優しさに涙してしまいました。
『ビターショコラの挑発』は玲二の物語だと思いました。彼のお話を読めて本当によかったです。
発売されてもう10年が経つんですね。
私事ですが、この作品が商業BL小説を読み漁るきっかけとなりました。一時期BL作品を手元から離したことがありましたが、「ビタチョコ」だけは手放せませんでした。この10年、読み返すことが最も多く、表紙はもうぼろぼろです。マイバイブルといっても過言ではありません。
ミルククラウンシリーズのスピンオフですが、この一冊からでも読むことが出来ます。男前攻め×美人受けで、大人なラブストーリーです。
出会いや交際のきっかけは回想で描かれ、メインは14年も連れ添った二人の現在について。長い付き合いにも関わらず、お互いの本当の気持ちはすれ違わせたままの義一と玲二にやきもきしながら読み進められます。
私は受けの玲二がとても好きなのですが、玲二は攻めの義一のことが好きで好きで好きすぎる可愛い大人の男性です。いわゆるツンデレで、普段は義一に気付かれないように、恋人(義一)への愛情を隠してしまっているほど。自分の好きすぎる想いをため込んでため込んで、14年分の想いを伝えられた後のエッチシーンは恍惚としか言いようがありません。崎谷先生のテッパン・切なくて甘々な心理描写が読み手を惹きつけます。
健気、強気、いじっぱりな受けが好きな方にはぜひオススメしたい作品です。発売から10年が経っていますので、時代背景にむず痒いものを感じられるかもしれませんが、二人の恋愛模様を綴るフレーズは昨今のBLには薄れつつある直球さや真摯さがあります。ぜひお手に取ってみられてください。
ミルクラシリーズスピンオフ、シリーズに登場していた義一と玲二のお話です。
シリーズではこの二人の関係を匂わすものがありながら、決定的ではなかったので一癖あるんだろうなぁとは思っていたけれど。
…壊れてるなぁ、義一っちゃん。
ある意味歪んだ、壮大すぎる愛は玲二からしたら近すぎて見えてなかったんでしょうね。
のらりくらりと逃げている玲二だけど、義一はあえて玲二を追い詰めていないだけ。
なので義一の行動が一体誰に帰結しているのか理解した玲二がかわいいったらもう!
一度染み出すと、義一が言う愛してるがものすごい威力をもって自分を襲うことに惑う玲二。
素直になる玲二に翻弄される義一。
いやー、素敵でした。
最後、大人組はひとくせあります。
玲ちゃん、意図的に義一を翻弄。さすがです。
希の成長っぷりも高遠の男前っぷりもあってなおオイシイ一冊でした。
ミルククラウンシリーズは未読ですが、そのカプ高遠×希のエピソードが随所に入ってくるので、単発でも楽しめました。
希の叔父で保護者代わりをしている玲二のキャラはツンデレでしょうか。
ジャズバーのオーナー義一と古い付き合いで、くっついたり離れたりをして一応元さやにおさまった感じのカプなんですが、全く甘い雰囲気はありません。
甥の希の傷を癒す役割はもうすっかり希の恋人であるサックスプレーヤーの高遠に任せてしまってもいいはずなのに、自分のプライベートは希に捧げているような感じです。
というのも、希も家族からスポイルされて大変に傷ついた過去があり、自分も同じような立場をたどっているから、親身に守りたいという欲求が大きいからなのだとは思います。
義一がやっている裏の仕事「L.C」(破壊請負)の手伝いをしながらも、もうそれを義一にやめてほしいと思っている玲二。
でも義一は疲れながらも、ひょうひょうと仕事を請け負い、理由も話さず玲二を軽くいなしてしまうので、きっと玲二もそれが不満なんだと思います。
だから今一つ全信頼をあずけることもできず、きちんと「好きだよ」って言葉や態度で表現してくれる義一でも、玲二は素直になれないのでしょうか?
しかし、そのL.Cの仕事をしていたのは玲二の為だったと知る時、初めて義一の愛を理解して、自分も素直になれたのです。
本編では義一の本心が中々見えてこなくて最後までやきもきさせられました。
玲二も、そんなに意地張らなくてもいいのにとさえ思ったのですが、大人の余裕なのか、義一の懐の大きさと気長さに、読者の自分さえびっくりです。
本能の部分に自分の本音が出るとは言いますが、だから崎谷作品のエロが濃密になるんですね。
時間はかかったけど、玲二は壁を乗り越えて守られる心地よさを、そして対等と感じられる愛情関係をこれから築いていけるのだろうと思いました。
じれったい関係のお話でしたが、最後の円団に満足な一冊でした。
知る人ぞ知るジャズバー『3.14(パイ)』の美貌のマネージャー、玲二は最近溺愛してきた甥っ子に恋人ができて複雑な心境だ。
しかしそれ以上に彼を悩ませているのが、店のオーナーでもあり、かつて恋人だったこともある男、義一との関係だった。
別の顔として壊し屋を営む義一を手伝ってきた玲二だが、気まぐれで危険な仕事ばかり引き受ける義一には我慢の限界を感じていて……
ミルクラシリーズのスピンオフ。
大人組の話ですが……できあがったカップルだと思っていた二人がまさかこんなことになっていたとは。
色々悩んでも口に出さずにためこんで、より頑なになる玲二が悪くないとは言わないけれど、なにより厄介な男すぎるよ義一。
お金も行動力もコネもあって、玲二のため(時には玲二を心配させるため)には国家規模の事件を起すことも辞さない男。
でかすぎて見えない愛ってすごすぎる。
最終的に開き直った玲ちゃんが強くて素敵でした。
女王様バンザイ!!
いいぞもっとやれ!!