電子限定カラー
2000年に入りボーイズラブという名称がBLというジャンルとして確立してからBL全盛期をしょって立たれてきたベテラン作家さんのおひとり!水名瀬先生。
毎度ながら見目麗しい男たちを描いて読む者の目を楽しませて下さいます。
昔ながらの作品はほぼ一巻完結さらりと読み終われる…いわゆる、安心するのです。
特に最近は、綺麗なだけではない難しい長編作品が多く…じっくりどっぶり浸りきった沼の底からあぷあぷしてるときに、水名瀬さんの作品を読み返しますと…あっさりとボーイズラブの世界に引き戻して下さいます。
と、いうわけでどうしても水名瀬さんの作品は買っても後に回しがち…。
こちらの作品は表紙に惚れて早くから買ったんですけどね…(^_^;)
さてさて、いつものように軽く美しい男たちを拝もうと読み始めたのですがそれだけではない、久々に素敵なボーイズラブでございました。
私のように昭和の少女漫画で育ってきた人間にはある意味懐かしく感じるこのストーリーは面白いの一言。
洋画のようなストーリーはまさにあごがれ!!
序盤は、またいい加減な宿無し受けに成り果てた受け君かと思いきや常識があり真面目でしっかり生きようとしているし、俺様攻めさまも内心はひたすら受け君を愛でるかわいい奴だし、(だたもうちょっと受けに手を出さずに大事にしてほしかった。)悪い奴は悪者だし、嫌みのない登場人物たちに好感が持てます。
ラストの終わり方なんですがこれまた昔のパッピーエンドではよくあるやつで、めでたしめだたし…フェードアウトってやつで。綺麗だわ~。
腐おばさんにはとっても素敵な懐かしさがあるシンデレラストーリーでした。
若い子たちには、古臭いというより新鮮に映り読んでくれると嬉しいな。
突然攫われて、冴えなかった聖は瞬く間に「うわぁ…あの人美人♡」と、人から囁かれる程に見違える。そう、これはシンデレラ・ストーリー♡
カラーページの美しさにもため息♡ほんのり色づいた頬。色っぽい唇。
賢吾さんは度々「色気を注入」とばかりにこの唇を、唇を‼︎おっと、つい興奮してしまいました。
「俺の言う通りにしろ」「口答えするな」言葉は乱暴だけど、優しく甘く聖を抱く賢吾さん♡
賢吾さんが捜し出してまで聖に執着した理由、それは…
読み直してみて、その事を未だに聖に伝えては無いのだな、と気付きました。
賢吾さんによって、手痛い失恋からすっかり自信を失くしてダメダメになっていた聖は美しくなると共に、理想の自分を見つけて行きます。そして賢吾さんの隣に相応しい自分で在りたいと。
清々しいラブ・ストーリーです♡
急に終わった感もあるので、もう少しラブラブな2人を見続けたいです。
描き下ろしは賢吾さんの執着ぶりが伺えます♡
帯に『暴君、出現。口答えするな 俺の言う通りにしろ』とあったけど、内容は一言で言ってしまうと「マイフェアレディ」でした。
一冊丸ごと1CPで、恋人の男性に捨てられて、会社も辞め身なりも構わず地味なコンビニ店員になった聖(せい)が主人公。
偶然コンビニに買い物に来た謎の怖い人にさらわれて、美容師の所へ連れて行かれ、アパートを解約、バイトも辞めさせられて、高級スーツから私服、靴まで全て買い替え、エステ、レストランでの食事………
それを『身体で払ってもらう』と言い放つアパレル会社オーナー代理・春木賢吾!
その晩からベッドに引き込まれて…
聖は賢吾の店で働き始めます。接客もでき帳簿にも詳しく英語も堪能、若くてイケメン、何より素直な好青年の聖は、店でも高評価。賢吾にもどんどん惹かれていって、賢吾に抱かれるだけではなくて愛も欲しくなる。
さて、賢吾は正に「スーパー攻様」なのですが、元々ゲイという描写はなく、聖に執着心や独占欲を感じているようではあるけれど、ほとんど気持ちを表さない。無表情のまま甘く優しく接してくるので、聖だけがドキドキしているよう。
業界のパーティで自分を捨てた元カレに再会しても、一歩も引かず切り返す内面も手に入れた聖。賢吾によって外見も何もかも洗練されて、有能で高級な男・賢吾に相応しくなった聖。
本編終盤に、賢吾が聖を見初めたきっかけのエピソードが語られます。元は完全に賢吾の一目惚れ状態じゃないですか。
遂に賢吾の方からそばにいてくれ、と告白のシーンでバツッと終わってしまうので、そこが残念!そこからの甘イチャを見せてくださいよ、水名瀬先生!
「束縛」
秘書になった聖をオフィスで脱がせ、好きにする。
…と妄想してニヤニヤする賢吾。キャラ変わってるから!