表題作Paradoxical Rose:逆説的な薔薇

宗方鉄真
貿易商の嫡男
弓削晶
執事見習い

あらすじ

「さよならトロイメライ」商業誌番外編同人誌

目次
Paradoxical Rose ~逆説的な薔薇~
年上ぶる人
冬休み
美貌の執事長
私と眞珠とおじさまの話
オペラグラスと摩天楼

作品情報

作品名
Paradoxical Rose:逆説的な薔薇
著者
尾上与一 
媒体
小説
サークル
freezia<サークル>
ジャンル
オリジナル
発売日
4.6

(3)

(2)

萌々

(1)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
14
評価数
3
平均
4.6 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数2

さよならトロイメライ同人誌

「さよならトロイメライ」を読んで、猛烈に甘さが欲しくなって同人誌に救いを求めたものの。最後が変わる訳ではないので、自分の気持ちはどうやら救われなさそうだ・・と分かり、心して読みました。本編同様、心の奥底に大事にしまわれる一冊になると思います。3作目で糖分補充できたので神にしました。

1.Paradoxical Rose ~逆説的な薔薇~
  弓削19才、執事デビューぐらいの時のお話。
  密やかに壊れている弓削さんの思いの深さがどわーっと押し寄せてきます。

2.年上ぶる人
  一誠と弓削の、やや楽しい甘めなお話♡
  一誠となぜか呑んで酔っ払った弓削が可愛いっ
  「鉄真様が好きなのです」 はいはい、知ってるから!
  
3.冬休み
  二人で口の堅い温泉宿に行くお話。げろ甘。
  二人でお風呂に入って「目の前に肌があるのが悪い」とは(爆笑)。

4.美貌の執事長
  宗方家に入った二人の執事見習いが、弓削に憧れ、弓削の帰りを
  待とうと宗方家に仕え続けるお話。だめだ、泣いちゃう。

5.私と眞珠とおじさまの話
  一誠の娘、琳子と鉄真のお話。琳子がおじさま(鉄真)がなぜ結婚しないのか
  弓削ってどんな方と詮索するお話。やっぱり泣く。弓削がいない。

6.オペラグラスと摩天楼
  パラレルワールド。弓削は元気で、ニューヨークで事業をする鉄真の
  秘書となっています。そこを一誠が訪れるお話。弓削、愛してる。
  こんな姿をもっと読みたかった。

もう一回泣かずにはおれないお話達でした。

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マイルドな味わい

さよならトロイメライの番外編同人誌。
トロイメライの薄い本も結構増えてきましたが、今回のお話は比較的痛み成分が少なく甘みが強くて3時のおやつのようでした。

表題作は悲惨な事件から回復し、漸く執事修行を経て鉄真の仕事に同行できるようになった弓削が、商談先で粗相をしてしまうという話でした。
鉄真のことしか目に入らない弓削らしい行動というか、噂の台詞が読めて大満足です。
にやにやが止まらない……。
1に鉄真2に鉄真、3、4も鉄真で多分10までずっと鉄真な弓削が愛しいです。
この執着が堪らない。

その他、一誠視点の「年上ぶる人」、前作の「夏休み」に続く「冬休み」、執事長となった弓削に憧れる執事見習いの少年達視点の「美貌の執事長」、一誠の娘である彬子視点の「私と眞珠とおじさまの話」、そして現代パラレルストーリーの「オペラグラスと摩天楼」と、最後まで非常に楽しく読むことが出来ました。
「年上ぶる人」では酒に弱い弓削の意外な一面が垣間見ることが出来ましたし、「冬休み」ではどろどろに甘いふたりの蜜月を堪能。
「美貌の執事長」では弓削をめぐる幼い見習達のバチバチとした牽制のしあいと、思わぬデバガメににやにやし、「私と眞珠とおじさまの話」では、弓削の死後もずっと変わらぬ思いで弓削を弔い続け、その心の全てを弓削に捧げている鉄真と、そんな鉄真に恋をして失恋してしまった彬子の話にうるっと来る……。
最後の「オペラグラスと摩天楼」では、こんな未来があればどんなにか幸せだっただろうか、と思いはしましたが、本編が完璧な形で結ばれているからこそ楽しめたパラレルだったと思います。

トロイメライの薄い本はどうしても重くなりがちですが、この本は本当に3時のおやつだったので、口当たりが良く気軽に読み返すことが出来そうです。

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