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表題作愛の星をつかめ!

白木央太
28歳、天才パティシエ、ツマベニチョウ
雀真耶
30歳、星北学園副理事、ヒメスズメバチ

その他の収録作品

  • あとがき
  • おまけ・愛の星は甘すぎる

あらすじ

三十歳、童貞、処女。
星北学園の高嶺の花、ついに陥落⁉︎

ハイクラス種ヒメスズメバチの名門で、女王バチ本家の末弟として生まれた真耶は、幼いころから当主代理として家に尽くし、長じてからはハイクラスが集う名門校・星北学園の副理事として清く正しい人生を歩んできた。容姿も性格もすべてが完璧。周囲からは高嶺の花と尊ばれてきた真耶だったが、その実、恋愛にはまったく興味がなく、次期当主の姉には欠陥人間とまで言われる始末。ついに童貞処女のまま三十歳を迎えてしまう。さらには、姉の結婚で当主代理の任を解かれ、屋敷を出ていかなければならなくなって⁉︎

作品情報

作品名
愛の星をつかめ!
著者
樋口美沙緒 
イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
愛の巣へ落ちろ!
発売日
ISBN
9784592877462
4.5

(180)

(113)

萌々

(50)

(13)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
21
得点
807
評価数
180
平均
4.5 / 5
神率
62.8%

レビュー投稿数21

とりあえず、めちゃくちゃ良かった!!

シリーズ8作目、満を持してのマヤマヤ登場です!!
待ってた! 待ってたよ・・・っ!! マヤマヤ!!!

こちらのシリーズですが、毎回胸がねじ切れそうになるほど切ないのがお約束です。しかし、今回は切なさ(普段よりは)控え目。

シリーズ8作目となり、初登場では高校生だった真耶も30才になります。(※時系列で前後してる作品もございます)
彼はですね、公明正大で凛と美しく気高いイメージが定着しておりましたが、そんな彼の「弱さ」が今回初めて語られます。
これは私の勝手な解釈だったりしますが、シリーズ自体が成熟し、真耶が30才と言う年齢になった今だからこそ、これは書けるお話だったんじゃないかと思います。
明らかに今までのムシシリーズとはパターンが違う・・・。
ただ、根っこの所にあるのはいつもと同じ「愛」なんですけどね。
ホント、このシリーズに登場するキャラ達の「愛」は、みんな痛いなぁ・・・。


内容です。
ヒメスズメバチの名門出身で当主代理であり、星北学園の副理事としても多忙な生活を送る雀真耶。恋愛に興味が無く、清く正しい人生を送るうち、童貞処女のまま30才を迎えてしまいます。
また、女性優位のヒメスズメバチでは「男」は必要とされない存在。姉の結婚で当主代理の任を解かれ、本家も出なくてはいけなくなりー・・・といった内容です。


先にも書きましたが、今回初めて真耶の弱さが語られます。
その美しい容姿が誉めそやされ、ハイクラスの名門出身と完璧な人生を歩んでいるように見える真耶。しかし、本人は「男」であった事で必要とされなかった事実により、人を愛する事が出来ない空っぽな人間だという思いが強いのです。

そんな真耶の元に現れたのが、海外でパティシエとして有名になった幼馴染みの央太。
ハイクラスとしては小さく弱かった彼は、父親の血のせいで突然変異をおこし、自分より大きく強い存在になっていて、という流れです。

実の所、私はこの央太をすっかり忘れておりまして。
ようやく、1作目で翼の友達として出て来た央太だと分かった時は仰天しました。
自信に満ちた落ち着いた態度に、どこかチクリと冷たい部分を覗かせる、その言動。変わり過ぎだろー!!

で、実は央太は8年前に好きだと言う事を真耶に伝えており、真耶はそれを受け流したと言う過去があったりします。
ハイクラスに生まれながら、母親の起源種のせいで弱く小さかった央太。真耶にとっては、自分と同じ「必要とされていない」存在だったワケです。そんな彼が突然変異により強く「必要とされる」存在になってしまった・・・。
自分は空っぽの人間で、自分とは逆に必要とされる存在である央太を「愛する」事は出来ない。
と、苦悩する真耶を無理矢理抱く央太、てトコでしょうか。

なのですが、ここからがめちゃくちゃ深い!!
とことん追い込まれた事で、真耶の真実が分かります。これが泣ける( ノω-、)
なんだろう・・・。真耶は「空っぽ」の人間では無いのです。それどころか、実はめちゃくちゃ愛が深いと思うのです。ただ、純粋過ぎるんですよ。もっと、自分の気持ちを優先して!!
また、この時の央太の台詞がいい。う~ん・・・。心が広いんだか、逆にめちゃくちゃ狭いんだか、判断に困る・・・。ただ、真耶への愛は果てしなく深い事は良く分かります。

あとですね、終盤でやっと開き直ったマヤマヤが最高でした。男前過ぎる、その言動。苦悩してる彼にも萌えましたが、やっぱりマヤマヤはこうじゃなきゃ!!
あの流れで、よもや攻めの鳩尾を打つとは誰が想像出来たでしょう・・・。


あとがき後に央太視点(も入る)のSSがありまして、そこで彼の結構な腹黒ぶりや執着ぶりが分かります。これはマヤマヤ、逃げられないよ。
ここでの真耶はなかなかの天然ぶりを発揮しておりまして、そのチョロさにもニマニマさせていただきました。マヤマヤが可愛いすぎるー!!

今作で初めて真耶の弱さが分かりましたが、それで幻滅するかと言うと全く逆でした。より人間的魅力を感じるように。
そして相も変わらず、深すぎる愛に萌え転がる事となりました。

とりあえず、めちゃくちゃ良かったとお伝えしたい!

31

シリーズ最強のヤンデレ

虫シリーズの中では、大和に次いで精神的に健康そうな攻であり、なんと言ってもあの女王マヤ様のお相手なので年下ワンコ系で間違いない!と安心して最後まで読みました。
しかし、最後の最後、番外編で裏切られました(笑)。

いつも清々しいほどに毒舌な女王マヤ様ですが、今回も終始マヤぶしを炸裂させ、アプローチをかける央太にも塩対応。央太が不憫で仕方ないんですが、相変わらずなマヤ様なので、二人のどこか噛み合っていないやり取りに笑ってしまいます。

どのシリーズでもいつも弱者の見方で、強く美しいマヤでしたが、今回はマヤの生い立ちやコンプレックスを知り胸の痛む場面もありました。とは言え、あの負けん気の強さのせいなのか、全体的に悲壮感のようなものは無く、むしろ央太に対して可愛げがなさすぎて心配になるほどでした。
マヤの人知れず抱える苦悩も最後にはやっと央太に伝えられて、晴れて恋人同士になれて良かったー!!と喜んでいたのもつかの間、番外編で央太の知られざる本性を垣間見ることになりました。
もうね、ぞっとします。
ぞっとするのに、目が離せない(笑)。
そこで最初から読み直してみると、央太の行動の一つ一つが、なるほどなぁ~と、そういう事だったのかと、別の視点から改めて納得できるというか。
怖いのに、クセになる面白さもあって、二人の続編をもっと見てみたい。マヤは央太の本性を知っても、きっと全てを受け入れるのでしょうけど。しばらくは、なんにも知らないマヤを、にやにやしながら眺めていたい。あの鉄鍋のくだりと、小冊子のストッカーのくだりは、最高に笑えて最高に怖いです(笑)。

12

お互いが空に輝く星❤

虫シリーズってとても好きな作品ですが
パターンは決まっています。
健気、不幸、かわいそうな受けが苦難を乗り越え幸せになるという

その切り口は様々です
総じて、受けは愛情豊かなんだけれど、攻めはそもそも愛を受けとめられる
容量を持ってなかったりとか…違ってたらごめんなさいです。

今回の受けマヤは容姿端麗、頭脳明晰、おまけに正義の味方なので
どんな、かわいそうなことがあるのかと思ったら
出生から、蜂族は男子誕生を望まれてなかったとか。
自分の誕生を望んでいなかった母を悲しませて辛いっていう
心情が深い…

いままでの作品を読んで完璧なマヤさまは攻めだろうと勝手に予想していた私の完敗でした。

攻めの央太、すっかりその存在を忘れていて読み終わった後
1巻を読み直しました。確かに居たわ〰

マヤの心の奥底の空虚を埋めた央太偉いです。
お互いに輝く星になったのではないでしょうか?

最後に央太が「マヤ兄さま」っていう言葉に萌えました❤

8

愛に臆病な人がめっちゃ愛されるまで

真耶先輩のことは1作目から気になっており、愛の罠にはまれ!でめちゃくちゃ好きになっていたので、新作が真耶メインだと知って発売前からワクワクしていました!

読んでみたら…真耶の内面を深く掘り下げる内容で、予想以上に心に響く作品でした。

真耶に共感する腐女子って実はめちゃくちゃいるのでは…!?(私もその1人です)


最後の短編もよかったです。
このくらいの攻めじゃないと真耶先輩は捕まえられないと思います!
この後の2人や芹野先生の話もぜひ読みたいです!!

7

真面目不器用な受と、歳下ヤンデレ攻め

一作目の澄也と翼のお話を読んでいた方は、より楽しめるかと思います。懐かしのメンバーが成長した姿で揃います。その中から、今回の主役は、真耶さまと央太です。

強く美しい正義の味方だった真耶さま。彼にも深い悩みや苦悩があって、成長した央太の日本への帰国を機に真耶さまはその悩みに直面していくことになります。

ハイクラス同士の2人の、互いの弱さ。頑なな真耶の殻を様々な方法で剥ぎに行く央太の執着さが良い。

本編の中でも、十分執着さとヤンデレ具合を小出しにしていた央太ですが、番外編では凄まじいことになってます笑 でも、央太がここまで執着したから、あの鉄壁の殻に閉じこもった真耶さまを崩せたんだろうなーと思います。

あと、一度受け入れた真耶さまの積極性もカッコいい!素敵でした!

6

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