てんてん
本品は『獣魔王と幸福の白い翼』の
コミコミスタジオオリジナル特典ペーパーです。
本編後、村の子供達視点にて
村に野菜売りの魔人がやってくるお話です。
その村には
時々魔人が果物や野菜を売りに来ます。
魔人の小船はいつも
ぱっと来てぱっと帰ってしまうので
子供たちは小船を見つけると
いつも大急ぎで家に伝えに行きます。
母親たちはとても嬉しそうな顔をするのに
誰もが魔人を怖がっていて
自分達では絶対に買いに行きません。
真冬だというのに魔人の小船には
夏の野菜や果物がどっさりで
子供たちは目を輝かせます。
わくわくでどれにするか悩んでいると
魔人に声を掛けられました。
小僧、獣魔王様の家を知っているか?
勿論です♪
この村には片角の獣魔王様が
本物の小鳥人フェイと暮らしています。
それならとお遣いを頼みたいと
自分が帰ったらこれを届けてくれと
大きくて真っ赤な桃を手渡されます。
長くて白いまっすぐな角を生やした魔人は
なぜか泣きそうな顔をしていて…
B5版ペーパー両面にて
人間と魔人たちとの関りが
変化していることが伝わるお話です。
桃を託された子供は
友人達と一緒に村外れの小屋を訪れます。
野菜売りの魔人から預かったと
出てきたフェイに大きな桃を差し出すと
彼は大声で獣魔王様に声を掛け
岸辺へ走りだしてしまいます。
しかし、
2人が辿り着いた時には
小船は既に岸を離れていました。
すると獣魔王の背中に突然
大きな白い翼が現れ手小船に近づき
小船を岸辺へと戻させました。
子供たちは魔人が怒られるのではと
ハラハラしますが
フェイが魔人に抱きついて
とても嬉しそうにしています。
小船で野菜を売りに来ていたのは
フェイと親しかった学者魔人だったのです。
獣魔王が天空城を追われた時に
何もできなかった己が不甲斐なくて
獣魔王にと合わせる顔がないと
フェイたちが追いかけても
決して顔を見せようとしなかったのです。
フェイが天空城を出て村に着いてからの
長い話をしようと学者魔人を
2人の小屋に連れて行く終幕まで
離れていても3人が信頼し合う
強い絆を保っていた事がわかる
とても素敵なお話でした♪
学者魔人がフェイを送り出してからも
彼が獣魔王の意思を継いて
様々な事をなしたことは間違いなく。
情けは人の為ならず、
回り巡ってやってくる優しさが
温かく感じられるお話でした。