電子限定おまけ付き
読み返しレビューです
私の好きな幽霊BLのひとつです
幽霊ものを読みましてふと、思い出しました~
思い出したのに案外結末をしっかり思い返せなかったので読み返しました
やっぱり雪路先生の冴え渡る耽美×シュールは最高です!!
絵で切なさを表現しながらもセリフで笑わせる笑
脳が混乱する楽しさは雪路ワールドの醍醐味です
キスをした後の生々しいあの感想とかBLとか関係なくほぼどんな作品でも言及しているのを目にした事がありませんw(でも、きっとみんな知っているし思った事、ありそうwww)
人間×幽霊の恋の1番幸せで王道な結末で読み返して良かった~と一安心♪
先生、最近は商業でお出しにならないのでしょうかね~?
と、言うか!!!
この作品の評価、低すぎません???
もっと知ってもらいたいなぁ~!という願いも込めてのレビューです
萌2~神ですがちるちるで初雪路先生レビューなのでちょっぴりオマケで神にしちゃお♪
久々に超耽美を読みましたがこの世界でしか得られない養分ってやっぱりあるな~
楽しかったです
雪路先生って、まつ毛バッサーなレトロ感ある耽美絵を描かれますよね。
それがこの煽情的な表紙!もうどんな話か気になって(でもあらすじもインタビューも読まずに)購入しました。
ストーリーは純愛系で、淫らな表紙はイメージ違いな感じがしますが、二人の交差する想いが切なくて、私はとても気に入りました♪
表題作と短編1話が収録されています。
●「面倒な同居人」
一人でいるのが楽って人と、とりあえず誰かといたいって人、タイプが違う大学生の話。
音楽好きな孤高タイプの澪に、いきなり爽也は話しかけてきた。
「見かけたらまた話しかけていいですか?」ってなんか必死で、友達に囲まれている爽也が、どうして自分に話しかけてくるのか澪にはわからない。
でも爽也は突然姿を見せなくなって、ゲイの澪は、好きになりかけていた気持ちを気付かれて離れていったのかもしれないと寂しく思っていたら、、、
自分の部屋に爽也がいる!!!
しかも猫を助けて惹かれて死んでしまい、自分は幽霊で澪の部屋から離れられないと???
振り回された澪は暴走して、幽霊の爽也を勢いで抱いてしまう…
それからも爽也は澪の部屋に居て、コーヒーを入れたり澪の世話をしつつ、澪に抱かれる。
クールな澪と、ほんわかした爽也の、恋人っぽくも見える同棲生活。
でも、爽也は「こんなに一緒にいるのに、一緒に居る気がしてるだけなのかな」と悲しそうにつぶやき、澪は「どうせいつか消えてしまうのに」と、二人は一緒にいるのに心の距離は遠い…
幽霊とのハッピーエンドといったら、オチはお約束ですよね。
しかも偶然、立て続けに同じテーマの本を読んでます、私。
でも、二人は想い合ってるのに、先が無いと悲観して、気持ちを伝えることもできないのが切なくて、お約束のオチだろうがなんだろうが、二人がちゃんと一緒にいれるならそれで良い、お願いだから幸せになって!と思える萌えストーリーでした。
雪路先生の耽美な絵柄が、この切ないファンタジーを盛り上げる、盛り上げる!
表紙イメージの裏切られ方も私は好きです。
●「恋人同士は面倒くさい」巻末 描き下ろし
恋人になったその後の二人。
爽也は幽霊だった時は澪の部屋に縛られていたから一緒にいる ”理由” があったけど、身体に戻って自由になった今は、クールな澪は気持ちがわかりにくいし、一緒に居ていいのか不安…
澪は、そんな爽也の不安を感じ取って、爽也の不安がなくなるように考える。
恋人同士の小さな気持ちのすれ違い、それを好きだから無くそうとする、想い合ってるくすぐったさにキューンとします!
●「夏の終りの来訪者」
デザイン会社社畜のユウのもとに、懐かしい幼馴染のカジがやってくる。
カジは女の子みたいに華奢で、ユウは「守ってあげなきゃ!」とお姫様のように思っていたのに、大人になったユウはがっしりした男に育っていて…
でもユウに見せる笑顔は昔のまま。
カジはバックパッカーで、金を稼ぐためだけに日本に帰ってくる自由人。
でも今回は旅先でふとユウを思い出して、会いたくなって、日本に戻ってきた。
そしてカジはユウの家に居候、久しぶりに会った幼馴染の奇妙な同居生活が始まります。
自由人だったカジも28歳、これからを考えて何をしたいのかが見えてきます。
カジに振り回されつつ、ユウの中でカジの存在感がだんだん大きくなっていく…
ひとつの季節が終わってしまう物悲しさと、次の季節がやってくるワクワク感を同時に感じるお話です。
これも雪路先生の耽美な絵柄がノスタルジックさを盛り上げてました。
あとがきの ”奥ゆかしい妖怪” に笑いました!
あの切なくて甘いお話のサイドストーリーにはこんな奥行きが…
読み直すと変な目でみちゃいそうですw
しっかり ”笑い” も忘れないのが雪路先生らしい。
私は雪路凹子さんの「Nightmare Catalog」とか「背後にメガネ」のこんなまつげバッサバサのお耽美絵なのにやってる事がアホすぎる…みたいなギャップ&ギャグとか結構好きなんですが、特に表題作は幽霊モノということもありちょいシリアス路線ということもありギャグは殆どありません。
二作品収録されていて、どっちの話も先が読めるというかこういう話何回も読んだ…みたいな既視感は正直否めないのだけど、表題作はちょっとしたセリフが効いておりそれが胸に響く仕掛けになっているのがとっても良かったし、同時収録作も季節とともに二人の関係性が変わっていく様子が描かれていて、よくあるストーリーだけでは終わらない作家さんの腕の良さを感じました。
表題作【面倒な同居人】は、一人でいることが苦痛ではない一匹狼タイプ×いつもにこにこみんなと仲良しワンコタイプ。
攻めに強引に懐いてきたかと思っていたら、ある日ぱったり姿を見せなくなった挙句、「おれ…死んじゃったんだ」と攻めの部屋に現れます。
幽霊だけど触ることもできる、幽霊自身にも感覚があるようだけど、ふっと消えたり、透けたりする事もあるという不確かな存在となって。
こうして、何故か攻めの部屋から外に出ることができないという囚われの身となってしまっている受けの幽霊との同居生活が始まります。
受けに対する思いがどんどん膨れ上がる一方で、そんな相手を好きになっても先がないという苛立ちをぶつけるかのように、何度も強引に受けを抱く攻め。
ところが受けは嫌がるどころか「おれなんかにできることなら」と受けは攻めの全てを受け入れるんです。
お互いがお互いを思いあってるのに、この恋には先がないという思いから気持ちを確かめあおうとしない二人の様子が切なかった。
「こんなに一緒にいるのに 一緒にいる気がしていただけなのかな」と呟く受けの言葉がものすごく心に響きました。
実体のない不確かな自分の存在を呪っているかのようなこのセリフ。
そして後編の最後の最後に受けが言った言葉がものすごく良くて、雪路凹子さん凄いな、さすがだなって思ったんです。
幽霊のときは、受けの気持ちを見ないようにして抱いていた攻め。
言葉は悪いけど、都合の良いオナホ扱いに近かったと思うんです。
幽霊だから後処理も一切必要なくて楽チンだったけど、これからはそうはいかないぞという気づきと、そこを何故か謝ってしまう受けのかわいさが味わえて、オチにこの言葉を持ってくるとは…!!と唸りました。
そして気持ちだってきちんと伝えあっていかないといけないし、すれ違いがあったらそれを無視せずお互いの気持ちに向き合って修正していかないといけない。
でもそういう面倒な事すらも醍醐味だなぁと思える描き下ろしも良かったです。
【夏の終わりの来訪者】
幼馴染同士の再会ものです。
いつも守ってやっていた可愛らしくてまるでお姫様みたいな幼馴染が、自分よりも一回りゴツい男となって現れて…というやつです。
幼馴染のカジのあまりの変貌ぶりを素直に受け入れられないユウ。
見た目の変貌だけではなく、バックパッカーとして世界のあちこちを自由きままに逞しく生きてきたカジの様子にユウは引け目を感じてしまいます。
自分が守ってやらなくてはと思っていたカジは世界を知ってるのに、自分ときたら社畜として生きるだけで、会社という非常に狭い世界の目の前のことしか見えていない…。
まぁ結局お互い無いものねだりということが判明するのですが。
でもゴツく逞しく成長したカジが肝心なところは相変わらずヘタレで、そこを発破かけるユウが男前でかっこいいという昔ながらの構図が残っているところが何とも良かったです。
雪路凹子先生、初読みです。
とても、綺麗で中性的な独特の絵柄ですね。
とくに、眼がとても綺麗に描かれていて〜印象に強く残ります。
「面倒な同居人」と、「夏の終わりの来訪者」2作。
「面倒な同居人」が面白かった。
まさか、爽也が途中で事故に会うとは・・・そして、幽体離脱。
ファンタジーだわ。
クールで感情を余り出さない澪が、爽也に惹かれていって大切にしている様子にほっこりしました。
ハッピーエンドで良かった。
すっきり、読み終えました。