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ーーしてみようか、 セックス。
受けさん一人のカバーが印象的な一冊。
やわらかい絵のタッチで、優しい感じのお話でした。
ちょっと変わった絵描きと、それに惚れ込んだ画商さんの話。
初めてのお宅訪問でバケツを蹴飛ばし絵を汚してしまう、というスタート。前途多難ですね。
しかし、ちらかった食べ物のらくがきに、本物の食べ物をそっと置く画商さん。それを見つけ、なんとなく絆される絵描きさん。ちょっとファンタジックでもあります。
誤解からいったんは離れる二人ですが、田舎にこもって絵もやめていた絵描きさんが、偶然テレビで見た画商は、まだ自分の絵を大切にしていた。。
再開してハッピーエンド。
画商が、惚れ込んでいる割にはため口でぶっきらぼうになったりと、少し戸惑うところもありましたが、全体にほわっとした優しい感じの作品でした。
脆くて壊れやすかった関係から
本心を見せあって惹かれ合うところまでが描かれているお話でした。
その時々のお互いの心情が切なくも美しく描写されているのが印象的で
言葉でうまく伝えられないことって日常のなかに本当にたくさんあるよなぁ、としみじみ思いました。
ですが、気になる部分も多々あって…
絵を描くための光が見えないと言っているのに
スランプから脱する努力をしているようにみえなかったり
大御所みたいな頑固さにいったい何歳の設定なの?と思ったりして(汗)
葉山も交渉するには強引すぎるし、奥さんが亡くなっているのだって隠す必要なくない?と。
激しい部分があることで、お話を無理矢理切なげにしている気がしていまいち共感はできなかったなと思いました。