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表題作妖しい薬屋と見習い狸

五明尊
漢方堂の美麗な店主で里の命の恩人
八坂里
五明漢方堂のアルバイトで半人前の化け狸

その他の収録作品

  • 薬屋狸と望郷の祭り
  • あとがき

あらすじ

山で罠に嵌って泣いていた狸の里。その時助けてくれた人間に恩返しがしたい!! 人に化けた里は、命の恩人で、漢方堂の美麗な店主五明尊の元でアルバイトをすることに!! けれどまだまだ未熟な里は、慌てたり、ドキドキするとすぐに耳とシッポが出て、狸の姿に戻ってしまう!? その秘密は絶対内緒なのに「早く大人になるおまじないですよ」と、五明は意地悪な微笑みでキスをしかけてきて…!?

作品情報

作品名
妖しい薬屋と見習い狸
著者
小中大豆 
イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009259
3.7

(56)

(9)

萌々

(29)

(15)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
13
得点
207
評価数
56
平均
3.7 / 5
神率
16.1%

レビュー投稿数13

甘々&ほのぼの好きさんに全力でおすすめ!!

作家買いです。

痛いシリアスものなんかも書かれる作家さんですが、今回は超正統派が来ました!!
めっちゃ甘くてほのぼの、そして可愛いです。癒されまくりです。
私はシリアスからメリバと何でもアリなのですが、やっぱ原点とも言うべき甘々ほのぼののラブコメが大好きなんですよー!!
最高に楽しく読めました(*´▽`*)



内容ですが、ほのぼの甘々なケモ耳ものでラブコメです。
2作収録されていて、表題作の「怪しい薬屋と見習い狸」が二人の馴れ初め編で雑誌掲載作。
山で罠に嵌まった子狸の里が、助けてくれた命の恩人・五明への恩返しの為に山を降りて・・・と言うもの。
そして書き下ろしの「薬屋狸と望郷の祭り」が恋人編。
五明の過去との決別と、二人が本当の意味で結ばれるまでになります。


で、こちら先にも書いたように、とにかく甘くてほのぼの。
里がですね、めちゃくちゃ健気なのです。
自分の命を救ってくれた人間に恩返ししようと、化け狸になる決意をする。
そして長年の修行の末、山を降りて五明の元を訪れ、彼の助手として働く。

この二人の同居生活が超ほのぼのでして。
不器用なりに五明の為に一生懸命身の回りの世話をし、仕事の助手を務める里ですが、彼は実は半人前。
ちょっとした心の乱れなどで狸の姿にもどっちゃうんですね。
狸になっちゃっては「キュウキュウ」言って、焦ってる里がめちゃくちゃ可愛いんですよー!!

また、そんな里を優しく見守る、どこか浮き世離れした感のある五明。
一見、紳士的でおっとりして見えるのですが、実はわりと腹黒な部分があるのもこれまたいいのです。
狸になってしまった里を「迷い込んで来たのかい?」と可愛がるのですが、これ里だと分かってて、明らかに気付かないふりしてるじゃん!!と丸分かり。
こうゆう、実は食えない男が、受けに対してはめちゃくちゃ甘くて優しいと言うのがツボなのです。
周囲から恐れられてるのに、天然な受けだけが「先生は優しいなぁ」とやってるのもこれまたツボ。
五明を心酔しきってる里の視点でありながら、読者に彼の食えなさをバッチリ印象付ける文章が巧みだなぁとも唸らされます。


で、そんな平和な二人が暮らす商店街に、突如オープンするオーガニックカフェ。
漢方堂の客足が減ってしまい、元々それ程儲かってない上に、売り上げがさらに低迷して危機感を覚える里。
また、そのカフェのオーナー・白銀と五明の間には、過去に因縁があるようで・・・と言った展開。
こちらもちょっぴりハラハラさせられますが、基本的にこの作品はほのぼの路線。読者は安心して構えていられるんじゃ無いでしょうか。
何と言っても、悪役のはずの白銀が、これまたいいキャラ。
ちょっと抜けてて根はお調子者と、愛すべき悪役です。
なんか、彼の事が好きで仕方なくなってきた・・・。

と、とにかく出て来る人(?)は全員いい人。
そしてひたすら甘々ほのぼのと、超優しい作品。
あと、(寿命が変わってしまうので)家族と離れ離れになろうとも、五明の為に化け狸となった陸の健気さ。
また、「怪しい薬屋」である五明の、これまでの孤独な日々-。
と、しっかり心に響く部分が書き込まれているのも良かったです。

甘々ものが好きな方に、全力でおすすめしたい!!

12

人物も内容も可愛い

昔助けてもらった五明に恩返しがしたく、化け狸になった里。五明の薬屋でアルバイトを始めて一年。ドキドキすると狸に戻ってしまう里は、五明にバレないように必死に日々修行をするが。。。

何となく先は読めるのですが、そのほんわかさが堪らなく良いです。
分かっているけど、その通りに展開するのをのんびり読むのもBLの良さだと思うので、こちらの作品は、可愛さや癒やし、不思議な世界を堪能するのにオススメです。
里の素直で、相手を思いやれる優しさと、狸の姿の可愛らしさに癒やされました。
五明は、長年生きてるだけあって、頼りがいがある大人な男性。見た目といい中身といいかっこよすぎ!
里が両親に会う場面や、五明のケジメや告白がすごく好きです。
様々な作品を書く小中先生なので、あえて分かりやすい展開のほんわかな作品を書いているのでしょうね。とても良かったです。

4

もっと可愛がりたいのに、余裕がない。

作家さん買い。
これはアレです。
ファンタジー・ほんわかほのぼの甘々ストーリー・モフモフ好きさんは
是非読まれることをオススメしたい1冊でした。

受けさんのポン太改め里は、子狸の時に人間の罠にハマり動けなかった所を
攻めさんの五明に助けられ。
恩返しという名目で化け狸となり五明の元を訪ねることに。
漢方を専門とする薬局を営んでいた五明の元で弟子として働くうちに
恋心が芽生えていくのですが…

と、恩返しストーリーではあるある設定だなあ…と読み始め。
ですが、ん?んんん??と、謎が深まるばかりの気が付けばどハマりするほど
面白かったお話でした。
白銀の出現・「時間外のお客」・何と言っても1番気になる五明の正体。
少しづつ明らかになっていく真実と、
書き下ろしでの若君と五明の決別と、
里の家族との逢瀬による心の成長と。
どれをとっても大事な要素で本当に楽しめました。
欲を言うなら
里久そば店主×Cafeしろがね店長の番外編なんてあったら嬉しいです★笑

子狸が本当にこんなに可愛いなら、一家に一匹欲しいものです(●´ω`●)

9

ほのぼのファンタジー

漢方堂の主人・五明にその昔、罠から助けてもらった子狸の里。
恩返しがしたい一心で化け狸となり、念願叶って攻めの五明が営む漢方堂の住み込み見習いに……というほのぼのモフモフ系です。

まず受けの里がかわいい。
家族たちとも離れ、化け狸となる修行を始めた里。
念願叶ってようやく化け狸になれたんだけど、実は半人前なので、ドキドキしたりビックリすると狸の姿に戻っちゃうんです。
狸であることは五明には隠しつつの同居生活なんだけど、時々うっかり狸に戻ってしまい、キュウキュウ言ってアワアワしてる姿がかわいいし、地域の人達から可愛がられている様子も和みます。

攻めの五明は、美麗な漢方堂の主人なんだけど、真っ白な長髪・年齢不詳感といい、ただものではないだろうな…という予感と、彼の正体は何なのか?という謎を漂わせながら、お話は進みます。

五明がもっと腹黒い、意地悪攻めかと思ってたら、里に対しては最初から最後まで丁寧な言葉遣いで優し〜く接している様子に萌えた。
(もっと受けを虐める系かと勝手に思い込んでいたので。)

ただし周囲からはやたらと恐れられていて、どんな事をやらかしたのかははっきりとは書いていないのだけど、本気で怒らせたら多分とてつもなく怖いんだろうなぁ……というのがなんとなーく透けて見えるんです。
里に対してはとてつもなく優しいんだけど、里に何かしたらお前の命はないぞ!と声高ではなく静かに周囲に知らしめてる感が漂ってました。

罠にはまっていたところを五明に救ってもらった里。
だけど里だけが救われたのではなく、五明は里と出会ったことによって過去と決別し、救われたという巡り合わせの妙が楽しめました。

脇役もいい味出してるキャラばかりで面白かった。
五明にギャフンと言わせたい!という目的で、里にちょっかいを出した白銀という妖狐。
もっと厄介な存在かと思いきや何だか愛すべきキャラだったし、里の修業時代の先輩も人の話をまったく聞かない暴走ヤロウだったし、本当に悪いやつが出てこなかったところも私は好き。

何故かわからないけど、ファンタジー系に微妙な苦手意識があって(多分、設定を呑み込むまでが億劫という)積極的に読んでこなかったのだけど、最近、小中先生のファンタジーを何冊か読んでみて、ファンタジーもいいなぁと思うようになりました。
何も意識しなくても、その世界にすっと入って、ええっとコレって何だっけ??みたいなことが一切なく読めて、ファンタジー初心者にはとても読みやすいです。

7

一生懸命で可愛い

「夜啼鶯は~」を読んでそんなに月日は経っていないので、作風の広さに改めて驚かされました。今回は少し不思議な面もある甘々で可愛いお話です。

山で罠に嵌った子狸(のちの里)はその時に助けてくれた人間に恩返しがしたいと人に化けて山を下ります。そして恩人でもある五明の店の漢方薬局でアルバイトという名の助手をする事になる、という物語です。

里は人間に化けるようになるために家族と別れるという決意をして修行をしました。大変な修行であり、寿命も変わるので修行期間が分からないという時間の間隔も無くなっています。五明が生きている内に会いたいからと里は一人前になる前に山を下りてしまいます。その為、ドキドキしたりすると狸の耳としっぽが出てきてしまいます。

里は五明に狸であることは秘密にしていますが、バレバレでした。バレバレというのは結構最初の方言動で読者は予想がつきます。里可愛いし、知らんぷりをしていたくなる気持ちも分かります。
オーガニックカフェが近所オープンし、そのオーナーである妖狐の白銀が五明に恨みがあるので里が巻き込まれてしまうという一波乱あります。しかし、五明の為にも一生懸命頑張る里の印象が強いので、事件面も安心して読めます。
既に言われていますが、この白銀なんだか憎めないキャラというのもあると思います。悪役なのに可愛いとも思えてしまいます。

里の修業時代の先輩が五明の悪名を聞いて引き離そうとしたり、五明が漢方に詳しくなったのかという若君についてなど、ちょっとした事件がありつつもほのぼのしていて面白いです。
想い続けたからいいという訳でもないすが、若君との事が里と出会ったたった1年で変わったというのが里のひたむきで一生懸命だったからこそと言えば良いのですが、そんなにあっさりと別れられるのかと少し思ってしまいました。

とにかく一生懸命に頑張る里が可愛いです。ただの守られるぽやぽやな子ではないので、応援したくなります。

6

この作品が収納されている本棚

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