イラストあり
とにかく子供が可愛すぎて、翔悟が幸せになってくれたらそれで良いと思いながら読んでいた。心に刺さる健気さが半端なく、涙腺にクる。翔悟視点でも100%安心できる終わり方であって欲しかったな。
明らかに相性の悪い、一見ちゃらんぽらんなオヤジの夜崎とキャリア組であった暁がコンビを組むところから始まるお話。暁は夜崎とつるむことで、職場の同僚とのコミュニケーションが円滑になるのが良い。とても読みやすくなった。
二人で預かることになった翔悟は、「へいき」が口癖で、何が起きても自分のせいだと思って謝りながら、怒られる覚悟を決めている。約束は守られないのが当然で、自分を置いて行った親との想い出を大切に守っている。悪くもないのに、「嫌わないで」と泣く姿に心が痛くなった。
いい加減そうに見えていた夜崎は、意外にもよく気が付き、子の扱いにも慣れていて、暁の中で頼れる存在になっていく。
生活を共にし、協力し合って子の面倒を見る日々が、絆を強めていくのは分かる。でも尊敬や信頼する相棒を超えて恋に発展したのは、アクシデントで体の関係ができてしまったことも影響しているのかな。
初めての子育てと事件で精神に余裕がない中で恋心が育つのは、吊り橋効果的なものを感じてしまう。とはいえ、そうした下地が出来上がったうえで命を懸けて守られたら、落ちるのも納得。なんだかんだで夜崎頑張ったな、と思う。
欲を言えば、刑事受けが単独行動して媚薬を盛られるいつもの展開以外で進むお話が読みたかった。これ入れなきゃいけないノルマか何か?と言いたくなるほど警察BLの定番になってる。オリジナリティとは。
二度も事件現場に居合わせた翔悟は、今後成長して事態を理解したときにどうなるかが心配ではあるが、そのときには夜崎と暁がそばにいるのかな。
刑事二人で子供との約束を守り続ける生活が可能なのかとか、手続きに関するところが曖昧なまま終わった点で不安は残る。
BL的には不安なくカップル成立でハピエンだった。
保護した少年の翔悟が、夜崎や暁の子供ならともかく、暁の異母弟というのを読んだとき、これは面白い!と思ったのですが、その予感は当たりでした。
松尾マアタ先生のイラストも迫力があって素敵でした。
あとストーリーと関係ないところで恐縮ですが、攻めが「夜」崎で、受けが「朝」川「暁」というのも覚えやすくて有り難かったです。
ただ、媚薬でセックスという内容の本を私が続けて読んだからか、またこれか…と思ってしまったのが不満というには申し訳ない個人的な感想でした。麻薬捜査なので突飛な展開じゃないのですけれど。
色々あったけれど、良い形に落ち着いてホッとしました。
刑事同士の恋、子育てモノ、セクハラだけど鷹揚な攻め、真面目なのにエロい受けがお好きな方にオススメだと思います。
最悪な出会いから相棒へ、相棒から恋人への一連の流れが
コミカルとシリアスの比重も絶妙で素晴らしい!
初めて読ませていただいた作家さんでしたが
違和感なく世界に入り込めましたし
なんと言ってもキャラが非常に魅力的でした。
真面目が過ぎる朝川暁とふざけてばかりいる夜崎勇吾、
性格も真逆ですが名字も対のようですね。
振り回されて若干暁が気の毒な気がしたのも束の間、二人の凸凹感が愉快です。
ある事件から面倒をみることになった翔悟が健気で健気で…。
たった4歳なのに「へいき」が口癖になってしまっている境遇、
可哀想過ぎて思いっきり甘やかしてあげたくなりました。
子は鎹と言いますが(?)二人で過ごす時間もいい感じ。
愛ある家庭のようで素敵でした。
事件については、その伏線が!となったり
翔悟の母の愛情はどこまでだったのかモヤったりしながらも
悪は最後までクズで情けのかけようがありませんでした。
ただ、クスリを盛られた暁のいやらしさが最高でしたよ…!!!
夜崎のテクもさすがと言ったところですが
頼むから今後は他に目移りしないでよね…。
暁が恋人になったからにはそんな気も起らないでしょうけど
病室での疑惑にはつい「何やってんだよ!!!」と頭に血がのぼりそうだったのでww
夜崎のイケボ設定に、T田さんとかY元さんとかどうだろうと
脳内再生してしまい二重に楽しませていただきました☆
私もノミネートされなきゃ死ぬで見て読んでみました。
さすがです。グイグイ引き込まれ久しぶりに夢中になって一気読みしました。
お話の巧みさ、事件の複雑さと謎解き、登場人物の魅力、すべてが絶妙です!
恵まれない環境で育った健気な翔悟、正義感が強いけど父の不祥事で冷や飯を食わされる美形の朝川、セクハラだけど雄のフェロモンを振り撒く優秀な刑事でもある夜崎。しかも翔悟が実は…で。
3人の暮らしや翔悟の健気さにほのぼのホロッとし、事件にハラハラし、朝川と夜崎の関係にモダモダし、終盤に向けて事件解決へとパズルのピースが組み合わされ、事件は悲惨な結末を迎えます。
でも朝川と夜崎が結ばれ翔悟も含め平和に仲良くフィナーレ。
うまい!巧みというのはこういうことかと唸りました。
翔悟のリュックに秘密がありそうな伏線も意外な展開を見せましたね。
媚薬はお約束でしたがいい盛り上がりになりました。
うん、ずばり神でしょう!異議なし!
「この作品がBLアワードにノミネートされなければ、死ぬ。アンケート」の紹介文で知って読みました!上手い!そんじょそこいらの有名作家さんたちより上手いです!文章は読みやすいし、物語の構成もご都合主義ではありません。作家買いしたいと思える作家さんに、久々に出会いました!
カプは、たらしな攻×美人受。確かにちょっと残虐なシーンもありますが、BL小説と思えば、全然全然許容範囲です。だってBL小説は「日常からちょっとズレたファンタジー」じゃないですか。もっとズレまくってて「はぁ?」な小説はたくさんありますし。
ご都合主義なBLや、文章がおかしくて最後まで読むに耐えないBLもある中で、久々の大ヒットでした!
作家さんの既刊本「ロマンスの鐘が鳴る」も読んだんですが、そちらも大爆笑&爆萌えでした。
もっと本出してほしいです!