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TORICOで開催された腰乃展の来場者ペーパーはB5サイズ両面2ページ。
2巻15話で気持ちが通じ合った清宮と牧野、ペーパーはその後の番外編です。
いつもの寄合い所で宴会中、清宮がタバコで輪っか煙を作っていると、牧野は作れないから、清宮が作った輪っか煙を見てはしゃぐ。
そして清宮はふと、煙を吹きかけるのは今夜どうですか?ってお誘いの意味もあったなぁとぼんやり考え、牧野に通じることを期待するけれど…
鈍感な牧野にそんなの通じるわけがない!
牧野はひたすら輪っか煙を追いかけ、叩き潰して遊んでますw
こんな風に清宮の苦労は続いていくんだろうなぁ。頑張れ、清宮!
ちなみに煙を吹きかけるのがお誘いっていうのは、江戸時代の衆道の仕草らしいです。
着物・長い管のキセル・誘うような視線、想像するだけで艶っぽくてステキ!
牧野がそんな手練手管を身に付けられる日がくるんだろうか?
まずは清宮の恋心に敏感になってあげて。
腰乃展の感想も。
いままで見た原画展のR18コーナーで、腰乃先生の原稿はひときわ輝いていました。
今回もヨコシマな期待で展示を見に行きましたが、そんなことより、腰乃先生がどんなに気合いを込めて『俺は頼り方がわかりません』を描いているかが伝わってきて胸熱になりました!
原稿ができるまでの4工程が展示されていました。
①文字プロット:場面・台詞・モノローグの文字書き出し
(横書き、流れ:左上→右下)
↓
②文字ネーム:文字+ラフ絵による流れ
(見開き四分割、ロールのような流れ:左1→左2→右1→右2)
↓
③ネーム:コマ割りの中にラフ絵と台詞・モノローグ手書き
↓
④原稿(※展示は複製原稿)
コミカルで勢いのある腰乃先生、マンガも勢いたっぷりに執筆してそうなイメージがあったのですが、イメージとは真逆に、とんでもなく緻密に構成を練りに練っていることにビックリしました。
順を追って見ると、プロットから原稿までの間に変更された部分も多く、ネーム→原稿でもコマ割りを変更していて、何を残して何を省くか、腰乃先生の試行錯誤が伝わってきました。
腰乃先生のマンガの中には、絶妙すぎて笑っちゃうシーン、的を突いてグサリと刺さる台詞が多いのですが、こんな風に考え抜いたからこその結果だったんですね。
この展示を見たことで、腰乃作品の印象が変わりました。
会場には、腰乃先生が田舎を取材した写真も展示されていました。
山と田畑が広がる普通の田園風景なんですが、ローアングルだったり、視線が集まるアクセントのある構図は、その場の光や空気も閉じ込められているようで、それも見入ってしまいました。
あとリブレ編集部の腰乃先生への愛情あるサポートも伝わってきました。
2巻で牧野が清宮への気持ちを自覚する ”ゲシュタルト崩壊” のコマを立体的に再現!
発泡スチロールでできた「好」「き」の二文字のデカさに圧倒されました!
担当編集さんの作品へのコメントを読むと、腰乃先生を同人誌とHPから見つけて以来、ずっと同じ編集さんが担当されているようで、短い文章の中に、腰乃先生の良さや懐かしい思い出をいっぱい詰め込んでいて、きっとこの方が腰乃先生を、腰乃作品を大切に支えてきてくれたんだなっていうのも伝わってきて、これも胸熱でした。
川唯東子先生の展示もそうでしたが、リブレの展示は大物・小物の趣向が凝っていて「先生に喜んでもらうぞ!」って気合いはもちろん、「読者にもあれを見せたい!楽しんで欲しい!」って思いが感じられます。
リブレ編集部、作家さんを支えてくれていること、読者を楽しませようとしてくれたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。