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〝「神」=7、「趣味じゃない」=7〟で、こんなにパッカリ評価が割れてる作品初めて見ました!
愛憎入り混じるクソデカ感情大好き人間としては、本作〝神〟ですね
まず、〝自分の物になると飽きてしまう〟攻め①と、〝兄に対して愛憎入り混じる劣情を抱く〟攻め②。
そんな2人に翻弄され、「駄目なのに…」と抗いながらも、ズブズブ深みにハマってしまう受け。
【近親相姦・NTR・緊縛・執着】のアブノーマルな3人の最高すぎる拗らせ具合に、沼落ち確定でした。
〝自分の物になると飽きてしまう〟攻め①こと、叔父の竜尽。
長く愛し続ける為に、恋敵(?)の嘉人に玲夜を抱かせる性癖は正直、理解し難いのですが、〝兄に対して愛憎入り混じる劣情を抱く〟攻め②こと、腹違いの弟・嘉人が最高すぎる攻めでした!
幼い頃より折檻を受けて泣く兄を見て、性癖が歪んでしまった弟。と言う最高の拗らせ具合(拍手)
自分は兄弟だから、兄とは〝恋仲〟になれない。せめて、身体だけでも繋がりたい…と言う密かな欲望を竜尽に利用されてしまう訳です。
竜尽に利用されていると分かっていても、「兄を抱ける」事を優先した弟。
竜尽に縛られて喘ぐ玲夜に対して、悔しいやら憎いやらエロいやら…のグチャグチャの感情を「お仕置き」と称して、ぶつける姿が堪りません♡
また、大人たちに冷遇され、母から「捨てるわよ」と折檻された過去がトラウマとなっている受・玲夜。
自分自身をガチガチに拘束する事で、何処にも行けない安心感を得る体質になっています。
竜尽へ服従し拘束される事に快感を覚えるものの、こんなの変だ…と自分を戒めて苦しむ玲夜。
そんな玲夜に嘉人が「お仕置き」をする事で、自分の歪さを許す事ができて満たされる……
この三者三様に拗れまくった性癖が、何故か綺麗に纏まっていて読後感は不思議と爽やか。
誰か1人でも欠けると均衡が崩れてしまう、危うさ…この3人だからこそ、成り立つ関係性がめちゃくちゃ良いです。
唯一好みと違ったのは、玲夜の気持ちが竜尽に傾きすぎている事。
弟推しなので、もう少し嘉人が報われて欲しかった……!
緊縛・スパンキング等の痛々しい描写もありますが、玲夜へ向ける2人の愛情がヒシヒシと伝わってきて、親族間の禁忌と甘さ溢れるSM作品でした♡
「これぞプラチナ文庫」とも言うべき、この表紙絵にしてこのタイトル。
ひょっとしてプランタン出版は「自社の本を売りたくないのではないか?(まさかね?)」と思うほど尖っています。本屋でBL本を買うのに躊躇いがない私もこの本は通販で購入しました。今、何かに負けた様な気分になっています。私に勝ったものが何なのかは全く解らないのですが。
葵居さんお得意の緊縛です。SMでもあります。3Pです。おまけにガチ兄弟で、NTRでもあります。
加えて、主な登場人物の全てが見事に歪んでいます。
この本は所謂、地雷だらけです。苦手な方が踏み込むと木っ端微塵になってしまうんじゃなかろうか?
緊縛、SM、NTRが「割と好み」の私でも、胃もたれがするほどの満腹感を覚えました。フランス料理のコースを食べた後に「こちらデザートです」と言って回鍋肉が出て来た感じ……でも、食べた後に「こういうメニューになっているの、解る」と思っている自分がいます。
出版社さんの『あらすじ』は非常にスッキリ書かれていますが、実はこのお話、とっても複雑なんですよ。どう紹介したらいいかしら?悩みます。
瀬奈玲夜は強いストレスを感じて不眠が続くと自分に拘束具を使います。「身動きが取れなくなった」と感じることでやっと全身から力を抜くことができ、安心するのです。玲夜を悩ませているのは本家の末っ子(但し、外腹)の通津守竜尽と腹違いの弟、瀬奈嘉人が、玲夜が代表取締役代行を勤めるツヅモリ機器販売に送られてきたこと。この人事は、玲夜の父が代表取締役を退いた後、経営の立て直しを図ろうとしていた矢先のことでした。ツヅモリグループは親族経営で、血縁者でない玲夜の母は周りから疎んじられ『第二子が望めない』という理由で離縁されています。そんなことから、玲夜は会社を奪われてしまうのではないかという不安を感じているのです。2人に隙を見せてはいけないと思うのですが、玲夜にとって竜尽は特別な思い出がある相手。母からは折檻を受け、親戚からは軽んじられていた子ども時代に、唯一、遊んでくれたのが竜尽だったのです。会うことは殆どなくても、こっそり慕っていたのに、竜尽は通津守を捨てて渡米していました。今、何故戻って来たのか?玲夜はそこに不安を感じていました。その竜尽に拘束具で付いた痕を見破られ、挙げ句の果てには「自分が相手をしてやる」と縛られて淫らな扱いを受けてしまいます。その後、会社での会話から二人の関係に不審を抱いた嘉人が、竜尽のいる玲夜の部屋に乱入して来ます。必死で言い繕おうとする玲夜に竜尽は「俺が呼んだんだよ」と……
さらっと書いたつもりがこれですよ。
そもそも、この3人の関係が延々と歪んでいくのは通津守家という閉じた家系が歪んでいるからなんですよ。竜尽と嘉人なんてあまりにも半端ない「ここまで酷いか」っていう歪み方をしているので、むしろ清々しい!
潔癖であることを自分に課してしまったが故に、黒い方へ黒い方へと追い込まれていく玲夜も「こんなだったらこうなっちゃうよなー」と納得出来ます。緊縛ってストレスから逃げられますものね。「自分の所為じゃない」って思いたいんだろうと。
間違いなくそこに愛はある。
あるのですけれど、この愛はふわんふわんとした幸せな気分にはなるものではありません。
しかし、と言うか、だからこそ『闇の腐女子』には垂涎もののシチュがてんこ盛りです。
それ以外の方は、ある程度のダメージを覚悟した上で、気力体力とも充実している時に読んだ方が宜しいかと思いました。
凄いよ。