パピレス限定特別版
不憫な受けがセレブな攻めに見初められ幸せになっていくストーリーは大好きです。
その上、傲慢で冷血と言われるくらい仕事ができて何もかも完璧なのに受けだけにはヘタレ、あるいはどうしていいかわからずに悩む攻めっていうのも大好物です。
そんな好きが重なったこの物語に華を添える挿絵が、大好きなみずかねりょうさんの美麗なイラストでした。
「素直で愛らしい受け」はみずかね先生が描く絵が一番好きな私にとって抱きしめたいくらいお気に入りの作品です。ファンタジックな衣装も精密で華麗です。
龍王候補の王子が、誰よりも先に御子に出会い一目で気に入りほかの龍王候補にさらわれることを恐れ囲い込んでしまったことで、選択肢をなくして自分を選ばせてしまうことへの罪悪感を感じたり、御子だから愛しいのか弥月が愛しいのかわからくて悩みながら成長していくところが気に入りました。
王として国や民のため厳しく対峙するとき、失われる命を惜しむ気持ちや切り捨てられるものの悲しみを受け止めながら王として苦渋の選択をする情がないものに王は務まらないという厳しい務めは、明るくて優しい弥月が癒しいい王様になるんだろうなと思わせる幸せな未来が感じられてよかったです。
一つ心残りなのは、捨て子だった弥月を保護して育ててくれたおじいさんに幸せに暮らしてるよと伝えられなかったことと、寂れてしまった黒龍を祀る社のその後が気になりました。
領主として民を守るため自分にも他人にも厳しい攻めが龍国の王となるための試練を乗り越える話であり、人間の世界に降り立ったため村人から畏れ忌み嫌われ寂しい生活を送っていた受けがやっと幸せになる話。
<あらすじ>
生まれながらに胸に赤い宝石の埋まっていた捨て子の弥月(受け)は拾い育ててくれた老人以外には気味悪がられ忌み嫌われてきました。
祟りを恐れた村人たちにより村に住み続けることができず、弥月は黒龍を祀る社で一人寝起きする生活を長く続けています。
ある日、弥月の宝石を狙う猟師たちに襲われ絶対絶命の危機に突然黒龍が現れ、弥月を助けられます。
そのまま、黒龍・龍偉(攻め)が領主をしている龍国黒龍領へと連れていかれ、胸の宝石を持つ弥月は「龍の御子」とよばれる存在だと教えられるのです。
龍王になるために弥月が必要で、自分の側にいてほしいと龍偉に頼まれるのでした。
弥月は黒龍が祀られている社に捨てられた子でした。
近くの村の老人が拾って育ててくれるのですが、弥月の胸には生まれつき赤い宝石が埋まっていて、それを村人たちは不気味だと忌み嫌い、酷い言葉を投げつけられ弥月は深く傷つけられます。
危ないところを助けてくれ、見たこともない豪奢な服を着せられ、食べたこともない食事を与えられ、大切にされたことで、ずっと一人で寂しく生きてきた弥月にとって傍にいて温かみをくれる龍偉は特別な存在になるのにそんなに時間はかかりません。
龍国は龍王を頂点に黒龍・白龍・赤龍・青龍の「生まれ変わり」の王子が4つの領土をお互い争いながら統治している龍の加護を受ける国です。
龍王はこの4人の王子の中から一人選ばれることになっており、現龍王の力が弱まってきた今、新しい龍王の選定時期となったのです。
龍王は「龍の御子」を探し出し、情を交わし、愛を覚えることが必要だと諭され、4人の王子は「龍の御子」を探すことになるのです。
龍偉は黒龍として肥沃な領土を守るため冷徹冷静に判断できる優秀な領主で龍王の第一候補と言われています。
今まで、国を守るために大局を見ることしかなかった龍偉は龍王に言われた愛するということの意味がわからず悩みます。
弥月が毎日変わっていく風景すらキラキラしいと感動する姿は龍偉にとって新鮮な反応でした。
情とは何なのか、肌を合わせ快楽を得るくらいしか知らない龍偉は身体から篭絡すればよいのだろうと思うのですが、弥月と接していると自分の方がよくわからない感情に突き動かされそうになり戸惑うのです。
傲慢で冷徹な龍偉が情を得るということがなんなのか考え、寂しい生活をしてきた弥月をどうすれば喜んでくれるのか、弥月に好意を持たれるにはどうすればいいか考える龍偉の姿は他のものには新鮮に映ったのではないでしょうか。
他の龍王候補に見つからないように囲ってしまいたいと思いながらも、弥月を喜ばせたくて外へ連れ出してしまったり、ただ歓心を買おうとするのではなく弥月のためを考えている龍偉がかわいく感じました。
弥月と情を交わすようになってからは相手のことを考えられるようになった龍偉がライバルの白龍の揺さぶりや策略にあっさり引っかかってしまうのは愛ゆえとはいえ皮肉でした。
反対に弥月は龍偉を信じ、白龍の揺さぶりにも決して引かない強さはこれも愛ゆえなのでしょう。
クライマックスからは何度読んでも泣けます。愛を知ったが故の龍偉の苦しみは本当につらかったと思います。
彼らの物語はまだ始まったばかりですが、これから二人でどんな苦難も乗り越えていけることだろうと思いました。
ちょっと気になったのは、王の血を引く始祖龍の「生まれ変わり」が各領地の領主になるということですが、黒龍・白龍・赤龍・青龍の4人を産むのは誰なのでしょうか。龍偉の子というわけではないのでしょうか?
もしかして弥月は子供が産めるようになるんだろうか。
普通の領民は人間と変わらないような感じでしたが、皆竜人なんだろうか。
それとも王族だけ別なのか、その辺りも気になりました。
初読み作家さんです。
こちらですね、あらすじからシリアス寄りを想像してたら、めっちゃ甘々でした。
傲慢で冷徹な黒龍-。
初めて知った「愛しい」と言う感情に、彼が戸惑ってる姿がめちゃくちゃツボだったんですよ。
愛する事を知らない彼の、不器用な愛情表現にもうキュンキュンなのですよ!!
そんなワケで、とっても楽しく読めました(*´▽`*)
内容ですが、龍王候補で冷徹な黒龍×龍玉の欠片を胸に持って生まれてきた健気な青年による、甘々ちょっぴり切ないラブストーリーになります。
胸の光るできものにより、気味悪がられ神社で一人暮らしていた捨て子の弥月。
ならず者に襲われていた所を、突然現れた黒龍に助けられ、そのまま連れ去られてしまいます。
人の姿になった黒龍・龍偉から、自身が胸に龍玉の欠片を持つ「龍の御子」で待ち望んでいたと告げられ-・・・と言うものです。
まずこちら、ハイファンタジーで無国籍風と申しますか・・・。
和風っぽくもあり、中華風ぽくもある世界観なんですね。
ちなみに受けはやづきと和風読みですが、攻めはロンウェイ(龍偉)と中華風読み。
で、攫われてきた弥月ですが、龍偉の城で下にも置かぬおもてなし。
豪華な衣装を与えられ、美味しく珍しい料理を振る舞われ、使用人達はあたたかく歓迎。
山奥で一人、孤独に暮らしていた彼が、一転皆から大切にされると言うシンデレラストーリーも楽しめると言いいますか。
こちらですね、攻めと受けの両視点で進みます。
次期龍王候補である龍偉ですが、龍王となるには「龍の御子」から認められ彼の愛情を得なければならない-。
そのため、ライバルに先んじて手に入れた弥月が自身に愛情を向けるよう目論見、優しく接してと言った感じになるんですね。
とは言え、最初の最初から龍偉は弥月に惹かれ、演技するまでも無く壊れ物のように大切に接してしまう。
彼はこれまで愛を知らず、傲慢で冷徹だと恐れられているのです。
そんな彼が!!
弥月が食事をどう食べていいか分からず困っていれば、自ら口に運んで食べさせ、ベッドから落ちようものなら大慌て。
人間は弱いのだから傷付いてしまう!みたいな。
彼が初めて感じる愛しいと言う気持ちに戸惑い、また龍である自分と比べてあまりにか弱い弥月を、どう扱っていいか分からずオロオロする。
こんなに細い腕を、どのくらいの力加減で握ればいいんだ・・・みたいな!
なんか、元々は傲慢な攻めが、そんな風に不器用な愛情を向けてるのがやたらツボでして。
また、健気で純真な弥月。
使用人達からも恐れられている龍偉に寄り添い、真っ直ぐな愛情を向けるのがジンワリさせてくれるのです。
甘い! めちゃくちゃ甘いよ!!
そんな中、龍王の座を狙う白龍に攫われる弥月-。
実は龍の御子から生きたまま龍玉を取り出して、力にする秘術がありー・・・と言う流れ。
ここが結構切なくてですね。
弥月の健気な行動にも、龍偉の痛々しい姿にもホロリとしてしまう・・・(´;ω;`)
まぁ、ちゃんとハッピーエンドなのでご安心下さいってトコですが。
あとこちら、エロ多めです。
龍偉の身体にある龍紋と弥月の胸にある龍玉が惹かれ合うと言う設定だったりするんですね~。
そんなワケで、早々にエッチに突入。
まぁ、そうでなくとも龍偉は弥月にメロメロ。
しょっちゅうスイッチが入っちゃっては襲ってたりするのです。
辛抱堪らん状態になってる龍偉が楽しいったらないのですが!!
と、予想外に甘々なのが楽しませてくれた作品。
甘くてキュンとして切ない気持ちにもさせてくれてと、とても好みの作品でした。
みずかね先生must buy。途中まで、ふんふんと読んでいたのですが、必殺技をしかけられたので萌2.弱いんです、この必殺技。眉山先生お久しぶりだったのですが、読んでよかった・・。
冷徹そうな方が大丈夫で、せつなキュンなお話がお好みな方には良いのではと思ったお話、本編230P超+先生のあとがき。
山奥の森の中の神社で生活する弥月(やづき)。胸に不思議なできものがあり紅く光ることもあって、村人たちからは忌み嫌われ、赤ん坊の時に捨てられていた神社で森の動物たちと交流しつつ暮らしています。ある日、森を荒らすような行為をする男たちに襲われ、絶叫した時に稲妻とともに現れたのは金糸のような豪奢な髪に煌びやかな衣装をまとった龍偉(ロンウェイ)で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
高昇(現龍王)、普平(ジンビン、受けさんの侍従)、ピィ(隼、雛から育てた子)、秀英(四大龍の一人)ぐらい。漢字いっぱいでもないし、多くもないので、私みたいに漢字苦手な方でも大丈夫じゃないかな。
**以下 必殺技について
立派な王になるべく感情を制御し理論で物事を進めていくというような攻めさんなんですが、一旦受けさんと決定的に離れちゃうんです。この離れ方が私には必殺技・・・(どんな必殺技かは書かない)
そこで、離れてしまった弥月を想って想って・・・というところが、超好きでした。感情を持たないような感じの龍偉だったのに、「想いがこみ上げる、あふれる」ようになって、おお・・・良かったよ(´;ω;`)とシンクロ。
前半、淡々と「王道よねー」と読んでいただけに、このシーンでぐっと掴まれてしまいました。攻め受けがいったん離れてしまうお話が好きな方はお好きなんじゃないかな。
最後にみずかね先生の挿絵話をちょっとだけ。カラー口絵は肌色一色(´・ω・`)。でもモノクロの方の衣装、装飾品が超素敵、すごく凝ってる~!!これがカラーの方がいいんだけどさ・・・
龍全身図も1枚あり、攻めさんの金髪ふっさふさなのが、たてがみになっていて、これまた素敵。
一番のお気に入りは、最後の二人足絡めて優しく眠る図。これからずっと一緒ね、横に眠る人がいるのって幸せよね、と幸せ気分になれる1枚です。
お話好きだったのと相まって、幸せ―と思った一冊でした。
龍王が治める龍国の異世界ファンタジー。
受け様は、龍の御子である弥月。
人の世界では胸に“龍の欠片”である紅く光る珠があるため、人々から恐れられ、1人山奥で暮らしていた。
猟師に襲われているところを助けてくれたのが攻め様である龍偉。
一緒に行こうと言われ、それまで独りぼっちに生きてきた弥月は、そのまま彼らの世界へと連れて行かれる。
龍偉は龍国の時期龍王候補の1人。
現龍王より、龍王となるには龍の御子と情を交わし合い、人の情を知るように言われていて。
今まで力を信じ、弱者を切り捨ててきた龍偉には、情を交わせと言われてもどうすればいいのかわからない。
とまどいながらも、弥月を知ろうと一緒に過ごす内に人の温かさを知っていく。
冷徹だった龍偉が、弥月の優しさを知って大事な存在となっていき、龍の欠片目当てじゃなくなっていくのがによによですよ( ´∀`)
他の龍王候補者である秀英と弥月の奪い合い。
龍の欠片が狙いの秀英に対して、弥月が大事な龍偉にきゅん(≧▽≦)
攻め様の嘆きとかが大好物の私にとって、龍の欠片を取られた弥月を前にした龍偉の姿が、めっちゃ萌まくり(☆▽☆)
弥月の目覚めを待つ姿も好きだわ~。
愛し愛される人と、手を取り合って生きていくことができてよかったねぇ(*´ω`*)
イラストはみずかねりょう先生。
美しくて見応えバッチリ、うっとりです(≧∇≦)