電子限定描き下ろし漫画付き
魔女をテーマとした3作。
幼馴染の切ないすれ違いを描いた表題作をメインに、他2作。
表題作は、幼馴染美人ワンコ×黒髪オカンという大好きな組み合わせ。
中性的だけど高身長でかっこよくてモテて、でも受けには子供っぽいワンコで彼のことを「ちゃん」付けで呼ぶという好みを詰め込んだ攻めで、それだけでも大満足。
おばあちゃんを亡くして魔女の血が覚醒した結と、そんな結を見守り続けてきた綾。
周りからも「オカン」と言われて結の世話を焼く綾だけど、虫を怖がって大騒ぎするのがかわいいです。
いつも一緒の二人だけど、感情が力を増幅させるせいで、自分の想いも魔女の力も隠せなくなっていく結は、大好きな綾ちゃんから離れようとする。
結の離れ方はゆるやかで、周りにはわからないように自然に離れていくのが、彼の優しくて穏やかな性格を現しています。
結は努めて何でもないように振る舞うけど、魔女の力が嘘を許してくれず、連日の雨模様。
自分のことが大好きなくせに、キスまでしたくせに、距離を取る結に詰め寄る綾。
想いを確かめ合い結ばれた後、結は旅立ち、しばしのお別れ。でも綾ちゃんがかけてくれた言葉の魔法があるからきっと大丈夫。
終盤、恐らく綾が怖がっていた虫くんが美しい蝶となって羽ばたいていくのが、旅立つ結に重なるような気がしました。
描き下ろしは、旅立った結との6年ぶりの再会。空港で子供を連れた家族を見つめる綾の心中を察すると切ないです。
でも、帰ってきた結に人目も憚らずに抱きしめられて、その腕の中で涙を浮かべるのを見てほっとしました。好きな人が傍にいるって大事ですね。
成長した結はかなりかっこよくなっていて、綾を攻める表情の男っぽい色気にドキッとしました。
そして、数年ぶりの触れ合いに恥じらう綾がかわいい。
最後は、それまで涙雨を降らせてばかりいた結による満天の流星ショーに感涙です。
「ワンダースラムホール」は甘さから一転、エロくハードな世界観。エンディングも不穏な雰囲気。
見知らぬ街に迷い込んだジウと、彼を誘う男娼のファン。熱い夜ののち、降りかかる過酷な末路。
でもそれはファンが見せていた幻。帰り道、「階段は右」と念を押すファン。
二手に別れた階段を前にしたジウは、果たしてどちらを選んだのか。左右の先には何があるのか。
明言されないからこその完成形。だけどそうすると見たくなる結末。
「エアリーブルーに睡れ」は攻めてほしい方が受けだったー!というのが主な感想だったりするのですが、ナギサの誘い美人な感じは受けだなぁと思わせます。
本編では性行為はなく、電子限定の描き下ろしではやってるけど暗転終了なので、希望の組み合わせとは逆だったけど、それとは別に、大人のカップルだし描写がないのは勿体なく感じました。
てっきり自分が抱かれる側だと思っていたアオイの反応が面白いです。
他の方も書かれていたように、もっと続きをよみたい作品3作、という感じでした。
自分自身、魔法使い的なものが大好きなので、すごく夢のあるお話ばかりでした。
相手を想いすぎると伸びてしまう髪。
悲しい涙は冷たい雨なのに
前向きな涙はお天気雨。
メルヘン好きにはたまらなかったです笑
全体的に物足りなさは少し感じるけれど、妄想でお話を続けるのもありかと思いました笑
アオイとナギサ兄弟の続きは是非読みたいなあ、書いてほしいなあ笑
こういう愛がある御伽噺、私は大好き。
温室のなかの花の香やむあっとする花活きれや温度が伝わってくるような描写
結が泣くと、雨が降る。大好きな人を想うと髪の毛が伸びる。
魔法の力を安定させるには、愛する人が傍に居た方がよさそうなので、
別れた二人はきっとまた再開できると思う。
二話は、ワンダースラム。この話は、異国の話。こういうのなんというのか、白日夢と言うのかな、現実にはない迷宮に迷い込んで、案内に従って現実に戻る。
本来なら銃で撃たれて死ぬ未来を、魔法使いが出口を道案内して変えてあげる。
きっと、また会うことは無いと思う別れ。
もう一話は、海の人魚の話。
水のなかで、長時間潜水できるので、いつも溺れていると間違えられるアオイ。
死んだ母は、実は人魚だった。
大きなクジラが現れて、お母さんの遺骨を散骨したら不思議な現象が起きる。
米津玄師 MV「海の幽霊」のあのシーンを連想、雄大な海の幻想。
不思議な世界観のお話
短編3作入ってました
どれも、ふわりとした雲を掴むような作品
表題作は同級生のお話
甘酸っぱい青春のお話
2作目はミステリアスなお話
読み方によって展開がどちらにも転ぶような不思議な読み心地のお話
3作目は義兄弟のお話
出来る兄と劣等感の塊の弟
細かいことは描かれてないのに、何故か2人のこれまでを感じられるお話
どのお話もキレイで繊細な描写と深みのある余白が素敵な一冊でした
エロエロな描写もいつも通り美しい作品でした
魔女だけど、魔女というより"ふと感じた日常の不思議"に近い印象で、私が思う"いかにも魔女"ではないところがすごく好きです。
素敵な3作品が載ってます♫
表題作 花咲みの魔女に告ぐ
魔女なんだけど、そのことよりも、すっごく純愛を感じて、涙が止まりませんでした。思いが溢れると容姿が変わってしまい、雨が降ったり流れ星を呼んだり…そこは現実的じゃないかもしれません。でも、恋をする姿、恋して苦しい姿、一途に思い続ける姿、そこは我々と何一つ変わらず、その思いに共感できて、胸がいっぱいになりました。
ワンダーラムスホール
こちらはもう妖艶でミステリアスで独特!!どこからが魔法・夢で、どこからが現実なんだろう…キタハラリイ先生の作品は大好きで必ずチェックさせて頂いてますが、今までにない感じです(*^▽^*)!!!私は好きですねー♫
エアリーブルーに睡れ
離れていても感じる"魔女の血"と兄弟(異父兄弟)にしかわからない"特別"なもの。漫画は白黒なのに、海のすごく鮮やかな色が見えました。因みに、電子版でアオイが攻めで、ナギサが受けと分かります。
海の中なら上手く息ができるのに 海の上は聞きたくないことが多すぎる…印象的な言葉です。"らしく生きる"ことと、"自由でいる"ことは、別なんだなって感じました。3作品中1番お気に入りです。
全くテイストの違う3作品を楽しめます(^ ^)