電子限定描き下ろし漫画付き
なんとも余韻の残るお話たちでした。
BLで魔女?男でも魔女なのか。
3編とも魔女のお話で続きが気になりますが、やはり最初に読んだ表題作が一番好きかな。
結と綾、幼馴染の二人。結の祖母が亡くなると魔女だった祖母の力が結に受け継がれ…。
結が一人ぼっちで泣き虫で、魔女の力をコントロールできなくて。それを唯一知るのが綾で。
結はどんどん美しくなっていき、綾は見とれてしまうようになり。
魔法の存在以外は幼馴染王道ものですね。
喜怒哀楽が自然現象にあらわれるのが美しく描かれてました。
2編目は、え?殺されちゃうの?でもニュースでは海外逃亡って。弟分との関係はどうなったの?
3編目は、え?兄貴いつのまに好きに?そこが抜けてていきなり感があり。
魔女です。
どうやら男性でも「魔女」って言うらしいです。
「花咲みの魔女に告ぐ」
結と綾(りょう)はずっとそばにいた幼馴染み同士。
唯一の肉親だった祖母が亡くなった日、祖母から魔女の力を受け継いだ結の身に異変が起き始めて…。
「花」の魔女ですが、どっちかって言うと「空」の魔女かな。悲しいと雨が降るし、嬉しいと満点の流星みたいな。
違う道を進むことに決めて離ればなれになるところで終わってしまうけど、描き下ろしで再会します。背景がひたすら美しい。
「ワンダースラムホール」
今度は「記憶」を操る魔女の登場です。名前から舞台はベトナムかな。
ギャングの下っ端のジウは弟分のヌエンにハメられて、追われる身になってしまう。
逃げ込んだ先は男娼館で…。
不思議な男娼と一夜を共にしたら、死んだはずの自分があれ?という不思議な話。
「時間」じゃなくて「記憶」を操るだけなら、ヌエンは…、ジウも…、?という疑問が残りますが、2人とも助かってやり直せるのかな?どうなのかな?
「エアリーブルーに睡れ」
最後は「水」の魔女です。
思春期に何をしても優秀な兄とは父親が違うことを知って、兄を疎み、母を憎み始めたアオイ。逃げるようにハワイへ渡って、ダイビングのインストラクターをしていた彼の目の前に兄が現れて…。
母への恨みが消えて、兄から意外な告白を受けました。
電子版ではおまけでその先が読めます。兄…、ある意味魔性でした。
テーマがあって、ページ数も限りがあるので、その制限の中でまとめなければいけないせいか、どれも心を揺さぶるような深みはなかったです。
どうせなら表題作か、異父兄弟の話だけで1冊分、がっつり読ませてほしかったです。
こういう愛がある御伽噺、私は大好き。
温室のなかの花の香やむあっとする花活きれや温度が伝わってくるような描写
結が泣くと、雨が降る。大好きな人を想うと髪の毛が伸びる。
魔法の力を安定させるには、愛する人が傍に居た方がよさそうなので、
別れた二人はきっとまた再開できると思う。
二話は、ワンダースラム。この話は、異国の話。こういうのなんというのか、白日夢と言うのかな、現実にはない迷宮に迷い込んで、案内に従って現実に戻る。
本来なら銃で撃たれて死ぬ未来を、魔法使いが出口を道案内して変えてあげる。
きっと、また会うことは無いと思う別れ。
もう一話は、海の人魚の話。
水のなかで、長時間潜水できるので、いつも溺れていると間違えられるアオイ。
死んだ母は、実は人魚だった。
大きなクジラが現れて、お母さんの遺骨を散骨したら不思議な現象が起きる。
米津玄師 MV「海の幽霊」のあのシーンを連想、雄大な海の幻想。
他の方も書かれていたように、もっと続きをよみたい作品3作、という感じでした。
自分自身、魔法使い的なものが大好きなので、すごく夢のあるお話ばかりでした。
相手を想いすぎると伸びてしまう髪。
悲しい涙は冷たい雨なのに
前向きな涙はお天気雨。
メルヘン好きにはたまらなかったです笑
全体的に物足りなさは少し感じるけれど、妄想でお話を続けるのもありかと思いました笑
アオイとナギサ兄弟の続きは是非読みたいなあ、書いてほしいなあ笑
なんとファンタジー(タイトルで気付けよ)、魔女シリーズでした。
表題作は、おばあちゃんから受け継いだという魔女の力をうまくコントロール出来ない泣き虫さん。幼馴染同士、好きあっているのだけど言い出せず、という初々しいなカップルでした。イギリスの親戚に引き取られ離れ離れになりますが、数年後にオスみを増した泣き虫くんの成長に萌。
その他、中国のギャング街で迷い込んだ色街で出逢った魔女男娼の話や、異父兄弟の再会話など。いずれも魔女の力を持つ人たちでした。
しかし男娼の話は、魔女関係あるのかな?魔女といえば女性なんだよね、と今更気になりました。
しかし、ジェラテリア〜などで切なハッピーなイメージがあった作家さんですが、ファンタジーで意外性がありました。