SS付き電子限定版
九重シャム先生の本は、繰り返し何度も読んで、何度読んだって飽きなくて不思議です。
今作は設定の部分を理解するだけで、1回目はそんなに好きじゃないかもなーなんて思ってしばらく置いて、2回3回と読むうちに、この世界の優しさに癒されました。
人の心の弱さ醜さに対して、九重先生の作品は優しさというか、慈愛みたいなのを感じるんですよね。それが疲れている時に読んでいると、じわじわと心に浸透していくのです。
今作の登場人物たちも、後悔や苦悩を抱えていて、それが物語が進んで人と人が交流するごとに、なくなるわけではないけれど軽くなっていって、辛い過去は変わらないんだけど生きていくことは悪くないよねって思うのです。
私は若南さんが「プリロたちを失っても後追いはしません」の後の言葉が切なくて、心に刺さりました。(ペットを飼っているので、ペットの死と重ねてしまいました)
あとはプリロのもふもふも可愛いし、各話の扉の若南さんの衣装もエロ可愛いし、何より守時先生! 可愛い人です。電子書籍版にしか入ってないリバも最高でした。この人に出会えてよかったね、若南さん!
美麗な絵に可愛い動物。
もふもふの人工愛玩動物プリロがとにかく可愛かった!!
精神科医の守時の患者さんが「人間より寿命の短いプリロを失った喪失感」に苦しむ人が多くちょっぴり重いお話の傾向もあったけど、若南のプリロとのつながりや「モキュ」と喋るプリロの可愛さに癒されて、結果ただただ癒されましたねー。
ちょっと笑顔が苦手な強面だけど普通にイケメンな守時がこの歳まで童貞なのが最高に素敵(笑)
ラスト若南との初エッチも、守時が初めてなのでどっちがどっちかは両方試そうって流れ・・・好き(悶)
作家買い。
九重さんと言えばモフモフ、のイメージですが、今作品もそのイメージを損なうことのないもっふもふが登場します。
ネタバレ含んでいます、ご注意ください。
プリシュロスト、愛称プリロと呼ばれる生き物が人間と暮らす世界が舞台のお話です。
プリロは見た目は小動物のビジュアルを持つ。
小動物のビジュアルだが、二足歩行し、高い知能を持ち、そして穏やかな性格。プリロ同士婚姻関係を持つことも可能で、言葉は持たないものの人と意思疎通することは普通にできる。
そんなプリロに癒しを求め、ともに暮らす人間も沢山いる。
そして、まれにプリロは自分の一生を一人の人に捧げる「授受」という行動をとるものもいる。
というちょっと特殊な設定です。
主人公は精神科医の守時。
彼は優秀な精神科医でありながら、見た目は超強面。
それゆえに子どもの患者さんに泣かれることもあるけれど誠実で実直、優しい男性です。
強面ゆえに恋人がいたことはなく28歳にして未だDTという純朴な青年でもある。
そんな彼はある日友人に連れられ、プリロたちが接客してくれる会員制のクラブ「ムーンナイト」に行くことに。
そこで出会ったのは綺麗なオーナー。4人のプリロと授受関係を結んでいるという。人目を避け、人となるべく関わらないように過ごしているそのオーナー・若南に、守時は少しずつ惹かれていくが―。
というお話。
守時はずっと忘れられない人がいる。彼の学生時代の友人だ。
そして彼は優秀な精神科医ではあるが、救えない患者さんもいる。
そんな彼が若南と出会い、プリロたちに囲まれ少しずつ癒されていく過程が細やかな描写で描かれています。
そして一方の若南も。
彼もまた、過去に辛い恋をしていた。
そんな二人が少しずつ恋を育てていく過程に激萌えしました。
バッサリ言ってしまうとストーリーとしては目新しい部分はあまりありません。
強面で、でも本当は優しく有能な医師。
過去のトラウマや身内に秘密を抱え儚げにひっそりと生活している美人さん。
そして、若南の元カレが、守時の患者さんであったこと。
既視感があるストーリーではあるのですが、この作品のキモは九重さんの十八番である「モフモフ」のプリロ。
この子たちの可愛さにKOされました。
人の感情の機微に聡く、そして優しい。
そんなプリロにも、哀しい過去はあって。
でも、彼らは、みんながみんな、自分に向けられる愛情と優しさで、少しずつ前を向いて生きていく。
優しく、温かく、そして希望に満ちた作品でした。
九重さんと言うと若干痛い展開になる作品も多いですが、この作品はシリアスな展開になることはほぼありません。そこにプリロの癒し効果も相まって、終始ほのぼのなお話でした。
できる事なら、若南の元カレの渥美さんも幸せにしてあげてほしいな。渥美さんと若南の過去の恋が切なかった。若いがゆえに、そして深く愛していたからこそすれ違っていく彼らの姿に思わず落涙しました。
スピンオフ作品を描いてほしいと切望しています。
エロ度はあまり高くない作品で、作中挿入まではありません。が、終盤に収録されている描き下ろしに爆笑。リバってはいませんが、リバりそう…、にはなるのでリバは絶対無理!という腐姐さまは注意が必要かもです。
が、二人で「これから」を築いていこうとする二人の姿がコミカルに描かれていて萌えが滾りました。こちらではがっつり挿入まで致しております。エロいです。
設定としてはかなり特殊、というか変わったバックボーンではありますが、九重さんの描き方が秀逸で読み始めてすぐにこの作品の持つ世界観に引き込まれました。
モフモフ、そして温かい愛情を描いた作品、に萌えを感じる腐姐さまには超お勧めの切なくも可愛らしい作品でした。
以前「ツインストリング」を読んで面白かったので購入。
タイトルで誤解させてしまったらごめんなさい。
この物語にはペットは出て来ません。あくまで個人的感想です。
このお話には表紙に描かれているかわいらしいぬいぐるみのような「プリロ」という生命体が出て来て人間と共存しています。
力も知識も人より優れていて、悪意を持たない優しい性格。「モキュ」と鳴きますが、変換機をつければ会話も可能。ただ、寿命は20年から25年。
なんだか読んでいて、進化したペットみたいだな…と感じてしまいました。
主人公・守時(精神科医)のもとにもプリロを亡くして心のバランスを崩した人がたくさんやって来ます。
強面で患者さんにまで怖がられてしまう彼を「笑顔にしてやろう」と友人が連れてきてくれたプリロ愛好家が集うカフェ「ムーンナイト」。そこで出会ったオーナー・若南がとても気になってしまう守時。
なぜなら、若南は4人のプリロに授受されていたから。
授受というのは自分の一生を一人の人に授ける行為。
あまり人付き合いが得意ではないオーナーを気にかけつつ魅かれていく守時。
そんな時、自分の患者が自殺したという連絡が入り…。
自殺してしまった患者に、この世界の温かさ、優しさを伝えきれなかったと泣き崩れる守時の姿がとても切なかった…。
守時を癒す若南とプリロ達。
でも若南にも辛い過去がありました。
プリロに囲まれている若南が好きだと言ってくれ、つきあった彼氏。
けれど、プリロを第一に考える若南と暮らすうちに彼はどんどん心のバランスが取れなくなってしまった。プリロに対する嫉妬だったんでしょうね。
プリロは人間じゃなく、ペットや、まるで自分の子供のような存在だから、嫉妬という簡単な言葉では片づけられないからきっと余計辛かった。
見返りを求めず癒しだけを与えてくれる都合のいい存在。
プリロと人間の関係は共依存のようにも見えました。
私も自分がかわいがっているペットがプリロのように進化してくれたらきっと溺愛し過ぎて、人との関係が希薄になってしてしまうかもしれない。
そんな若南の話に耳を傾け、少年のような純粋な振る舞いで少しずつ心をほぐしていく守時の姿がとても可愛らしかった。
初めて守時の全部を欲しいと実感した若菜。
後悔を胸に抱えたままだけれど、人間に対する執着が芽生えた姿にこちらまで泣きそうになってしまいました。
2人の恋はまだ始まったばかり。
何が正しくて何が間違いだったかなんてきっと誰にもわからない。
でも全て抱えながら「これから」を生きていこうとする2人とプリロ達はまるで家族のように温かく幸せそうに見えました。
おとぎ話のようにほのぼのした作品の中にたくさんの問いかけが散りばめられている深くて優しいお話。いろいろな意味で心に残る素敵な物語でした。
九重先生の獣人というかケモ系キャラが好きなので購入。
でも、今作は、愛玩動物型の人造生命体と人間が共存する社会のお話ってことで、動物キャラは重要な要素ではあるけれど、話そのものはガッツリとした「人間の感情」のお話でした。
強面の顔と内面のナイーブさにギャップのある精神科医が、会員制プリロカフェのオーナーとプリロの力を借りて、初めての恋愛に真摯に向き合うストーリー。
カフェのオーナーにも過去の恋愛に対しての後悔やトラウマがあって、二人の関係の進み具合はなかなかじれったいけど、ちゃんとハッピーエンドに。
プリロと人の関係とか、そもそもどうしてプリロが生まれたのかとか、結構設定がしっかり説明されているし、二人の感情の動きもすごく理にかなっていて良く練られた展開です。
本当にお話はすごく良くできているのですが、もう一つ評価がプラスできなかったのは、ストーリーのの破綻のなさというか、隙がなさすぎて、逆に冷めてしまったというか、なんというか、、、
なんか、すごく、惜しい感じで、萌一つで。
セルフツッコミ
まあ、ぶっちゃけて言うと、九重先生、絵柄変わった?
お鼻が、、、、