比良木家に後妻の連れ子として入った竹蔵は血の繋がりのない兄忍が出来るけれど、深い嫌悪と憎悪に満ちた視線で竹蔵を見下し続ける。どれ程忍に冷たくされても恋心と欲情を募らせていく竹蔵。ある日火傷で目の見えない状態の忍に、正体を隠し義姉の香水をつけ触れてしまうと、溢れ出た欲望は抑えられなくなり…。
一度は離れて距離を置いた2人だけれど、忍が竹蔵の元に現れて抗えない熱情の渦に呑み込まれていくのが実にエロティック。
薫りの記憶は何より鮮明で心に染みついて離れない。熱を帯びて発酵し匂い立つ薫りに、読んでいるこちらも包まれて閉じ込められてしまう。
求め合う2人の想いと残酷な現実に、切なくて涙が止まらなかった。余りにも悲しくて愛おしい、胸に残る余韻が忘れられない作品。
コメンテーターとしても活躍する有名カウンセラーの律路は、Subである事を隠し抑制剤で抑えているものの具合は悪くなるばかり。そんな時に幼馴染でDomの行瑠が訪ねてきて…。
お互いにSSSランクの2人。幼い頃に本能のまま暴走し危険な状態になってから離れていたけれど、誰よりも満たし合えるのはお互いでしかなくて。体調不良から仮のパートナーとなる事を承諾する律路だけど、サブスペースに入ってる時の言葉が本音でそれは可愛い。
普通の状態の時は素直になれないけれど、他の人は2人ともあり得ないんだよね。どうしたら一緒に幸せになれるのか…。
Dom/Subだけどかなり猟奇的な感じで、今までにない新たな衝撃。好き嫌い分かれそうな気もするけど、壊したい、壊されたい…という激しい想いと、極限状態で求め合う姿に惹き込まれる。
子供の頃の2人の様子がまた、欲望に純粋で可愛すぎてヤバい。