スピンオフ作品なんですね。前作を読んでないんですが、それでも十分楽しめました。
宝井のツンな性格と、それなのに寂しがり屋ってのが可愛いです。藤堂と宝井のお話も切ないですが、私が一番切なかったのは、宝井の回想シーンでした。友人に告白して受け入れられ、いざエッチしようとしたところで…やっぱり無理だ、と断られてしまう宝井が切なくて…。藤堂との会話でも、自分を振った友人を庇う様が可哀想で可愛いく思えました。
そんな風についつい、宝井の切なさにばかりに目がいってしまったせいか、藤堂は切なさよりもその凄い包容力に目がいってしまって…。いやいや、藤堂も随分切ない思いしてますよね。今度読み直す時は、藤堂に感情移入して読みたいなぁと思う作品でした。
全体的に、男らしいと言うかツンとした受けとヘタレな年下攻めのお話が多いかなぁと思いました。年下ヘタレ×ツン、大好きです。表題作がまさにそれだったのですが、何故か、そこまでグワーっとくる萌はなかったような気がします。淡々と、「うん。なんか萌たかも。」と言う感じ。
他の作品も同じでした。可愛い中にも何かしらの問題があって、それに悩む攻めと受け、で、途中で飽きるようなことはありませんでした。でも、その悩みが割とスルスル解決してしまったような印象です。
表題作よりも、高校生のアルバイト×店長さん(かな?)のファミレス話の方が好きでした。店長さん可愛いです。こっそり尽くしてあげようとする受け、すごく好きです。この二人のすれ違いがもう少し大きく長引いたら、もっとキュンとしたかなぁと思います。
余談ですが、この作者さんのは初めて読んだ為か、キャラクターの肩のラインがちょくちょく気になりました。
表紙とあらすじのCPは、超イケメン×馬鹿なチャラ男。この二人が…うーん。私とは合わなかったようです。
設定は好きです。去年まで女子校だった学校の少人数男子達の話。イケメン×チャラ男ってのも良いですよね。それがなんで合わなかったのかなぁと考えてみると…攻めのイケメンを好きになれなかったからかな、と思います。ちょっと受けを振り回し過ぎてて、受けが可哀想になっちゃいました。最後の方で、攻めが泣きそうな顔をするのは可愛いかったですが、受けは既に泣かされてるわけだし…。私、Sっぽい攻めが苦手なんだなぁと実感しました(←ものによっては好きなんですが)。
メインCPよりも、もう一つのCPの方が好きでした。男前風高校生×可愛い系高校生。二人して悪気なくお互いを振り回しているので、可愛いなぁと思います。
この話は、スピンオフ作品なんですね。前作は読まずに読みましたが、全然大丈夫でした。十分面白いし、萌えられます。
攻めのミヤさんがほんと可愛いです。ヘタレワンコ素敵です!受けの塩さんが「ただいまさん」と言うと、ミヤさんが顔を赤くしたり、遊びに誘うと凄く喜んだり、ノーパンな塩さんにドギマギしたり…兎に角可愛いです。
受けの塩さんが、男前でカッコいいのも好きでした。とは言っても、自分のことを素直に口にできないところや、物事を斜に構えて見ちゃうところとか、勿論欠点もあります。それを認められるところが男前。
大きな問題(喧嘩とか嫉妬とか)はありませんでしたが、最後まで全く飽きずに楽しめました。私は、こう言う雰囲気が好きなんだなぁと改めて実感です。
ふんわりとした雰囲気が好きな私には、まさに神作品でした!
ゴロウさんの長髪も、ジロさんの大福のような頬っぺも、ふかふか食パンで眠りたいと言う話も、みんなふんわり。それでいて、片想いあり、喧嘩あり、別れ(?)あり、で、単調ではない感じ。喧嘩やすれ違いも、ふんわりと切なくなって、読後感が凄く優しいです。ヒモなゴロウさんが努力して変わろうとするのも、読んでいて心が温まる理由なのかなぁと思いました。
ただ、エロや恋愛の激しさ(嫉妬や当て馬など)を目当てで読むと、少し物足りなく感じるかもしれません。あと、コマ割りが苦手な方も居るかもしれません。そこは好き好きかなぁと思います。
ところで、この題名を見た時、ジゴロって言葉を連想したんですが、ジゴロってフランス語なんですね。ゴロウさんのイメージがなんとなくパリジャンだったので、ぴったりだなぁと思いました。