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長野まゆみ
襖くろーらー
ネタバレ
長野まゆみ先生の初期作品です。最近は青年同士のBLの様なものやミステリーが多い長野作品ですが、本作品は古きよき少年愛・耽美系の長野作品です。 三つの短編「白薇童子」「鬼茨」「蛍火夜話」が収録されています。どれも大人のお伽噺的な作品です。お伽噺が元は寝所で語られる寝物語であるならば、正統派のお伽噺といっていいのかもしれません。要は、すごくエロスでした!! 「白薇童子」 貴族の少年が父の…
(『白いひつじ』の加筆修正作品が『いい部屋あります。』です) 田舎から大学進学の為に東京に出て来た男の子が、アパート探しに苦戦した果てに紹介された格安男子寮。ところが先住者の先輩たちは揃いも揃ってくせ者だらけで……。 と、大人っぽい先輩たちに初心な一年生が翻弄される話かと思いきや、パンを齧りながらやってきた百合子の登場から、ストーリーは思わぬ方向に舵を切るのでした。 ~ここか…
renachi
シリーズ三作目。前二作とは構成が変わり、短編四つが収録されている。「」内のセリフを句点か読点で終わらせる独特の書き方も止めてしまったみたいで、文章の雰囲気も変わっていた。漢字をひらく割合は控えめになっていて読みやすかった。 最初はなんともヘンテコなお話。内容が微妙にとっ散らかっているような。嘘と屁理屈で押し通そうとする桜蔵のセリフに戸惑い、こんな性格だったかな?と思いつつ……ちょっと物言いも…
角川文庫版を読了、シリーズ二作目。心の準備をする間もなく最初から飛ばしていて、誤ってこちらを先に読むと戸惑いそうな始まり。すでにソレが当たり前になっている世界が描かれるので、一作目を読み終えた直後の心構えで臨んだ方が良さそう。 よくぞここまで!と感心するほど、たくさんの得体の知れない男に目を付けられる桜蔵。一作目から引き続き、桜蔵の身体で未練や欲を満たして消えていく何者かが描かれる。 中に…
角川文庫版を読了。久しぶりに長野まゆみさんの作品を読んだら、文章が変わっていて驚いた。初期のインパクトが強すぎて。 醸し出す雰囲気には情緒があり、世界観にどっぷり浸かれる心地良さは健在で良かった。 ほんのりホラー風味な短編集。1章から12章までは同一の世界線で、1章ごとに何かが起こる。特に1章が魅力的で、一気に引き込まれた。 古風な風景の描写と謎の男と少々流されタイプな主人公。期待しない…
『左近の桜』 『咲くや、この花』 『さくら、うるわし』 『その花の名を知らず』←New! 『左近の桜』シリーズ第四弾。前作までは短編~中編の連作集でしたが、本作はまるっと1冊1話です。 冒頭は前作『さくら、うるわし』の少し後。二十歳の誕生日まであと数日の桜蔵くん。祖父の墓参りに行こうとバスに乗るのですが、またしても異界に迷い込みかけているのに気付き身構えます。ところが、起きたのは…
『左近の桜』シリーズ第3弾です。シリーズ第1弾『左近の桜』と第2弾『咲くや、この花』は、それぞれ全12章で1年分の物語という構成でしたが、本作『さくら、うるわし』は全4章で2年ぶんです。 前二作ほど古典などからの引用は多くないので、解りやすいといえば解りやすいような気もします。しかし幻想文学の雰囲気が更に濃くなり、まるで他人の見る悪夢にひきずり込まれるような読み味。読後しばらくすると、一体何…
『左近の桜』シリーズ最新刊『その花の名を知らず』発売を機に、おさらいをしようと思って再読しました。 ぼんやり何も考えずに読み流しても、耽美な世界観に酔いしれて楽しいですが、ちょっと気になる単語の意味を調べてみると、もっと楽しい小説です。だいたい、一般的な意味の他、へぇーって感心してしまう意味があり、時には少々お下品な意味もありますw 全体的に、今回は毛皮の話をしているようです。読み進め…
幻想的にしてほどほど耽美。文章のキレがよく、不思議な物語なので、つい繰り返し読んでしまいます。 数度目の再読で、ふと気になったワードをググってみたら、 ……え!? こ、これは……!? まじか!?!?!? 謎のワードの意味をひとつひとつを調べていくと、驚きの答えが浮かんできます。 これ以上言うとネタバレになっちゃうので言いませんけどw 既読の方で、単行本…
私は長野まゆみ先生の作品では、エロ度高いめか少年が主人公の幻想的な話か幻想文学に極フリしている物ばかり読んで来たので、現実的な世界観で現実的な恋愛をする話は新鮮と感じました。 冒頭部分では凛一の性格が長野作品の主人公にしては大人しいぞ……! と驚いたんですけれども、物語が進んでいくにつれ、やっぱり彼も長野作品の主人公だなと。見た目は可憐でもメンタルは鬼ですね。 凛一周りの底意地の悪い関…