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依田沙江美
ふばば
ネタバレ
依田沙江美さんの紡ぐ物語って、ほんとに一筋縄じゃいかない…っていうか。 読みようによっては、なんか回りくどいような、描写を小出しにして読者のほうに推理させるような描き方をするかたですよね。 本作も正にそんな感じ。 内容は男子校が舞台で、生徒たちはガチの恋愛をしてる子もいれば、際どい戯れ遊びを楽しむ子、全くそういうのと無関係な子たちもいて、でもそんな子たちも「そういう」空気があることを楽しんで…
フランク
この少女漫画か?といったような表紙が気になってずーっと本棚登録してた本。ようやく読んでみました。 読む前に想像していたのは、不思議ちゃんとの恋。それを楽しむ話かなと。 でも読んでみたら確かにそれは間違っていないと思うんだけど、私にはわかぺーはアスペルガーなどの発達障害・知的障害を伴わない高機能自閉症もしくはそれらのボーダーにしか思えなかったんです…。 不思議ちゃんとしてすませるには余りに…
木原音瀬 依田沙江美
とおるる
タイトルを見て「ん……?」と思いましたが、読み始めて納得。雰囲気は、お江戸情緒を残したライトな明治という感じでした。 主従モノで、かつ妖怪モノ。 その設定が見事にマッチしていて違和感がなく、あっという間に作品世界に引き込まれてしまいました。 この本には「牛泥棒」「古山茶」「笹魚」の三作が収録されていて、そのうちの「牛泥棒」は、主従モノならではの切なさが読みどころ。 一方の「古山茶」と「…
3冊ものの3巻目。一応完結? 勇気と昇がひとまず一つの形を選んだ前巻でしたが、本作ではこんな展開になりますか?と正直驚きです。 表紙絵でわかる通り、昇が眼帯をしています。 でもそれは怪我でも結膜炎でもなく、まぶたが開かなくなっていた。 脳に異常はない。視力もある。顔面麻痺でもない。どうして目が開かないのだろう? そして度々思い出すようになった暗い階段の踊り場。なぜか不安で、なぜかそれ…
3冊ものの2巻目。 この一冊はも〜う濃い! 6つの短編が連なっていて、それらを読むと日比谷勇気と土谷昇それぞれの心象風景やら、積み上げてきたキャリアやら、倦怠期と思いきやの嫉妬祭りやら、そんなものが波のように寄せては返すのですね。 無垢めいたやりとりでセクハラをかわす昇。 隣人に修復を頼まれた絵にまつわって、1人の女性の心の中を覗き込むような感傷。 隠れて見合いした勇気、実家のネコが…
3冊ものの1巻目。 96〜98年に発表された作品で、やはり今時のBL作品とは空気感が大きく違うなぁと感じます。 画家の日比谷は、出版社の編集長・土谷と訳あり。15才と17才の初恋だったが、また大人になって再会して…という冒頭。 日比谷は女性によくもてて、罪悪感なしに寝る。つまりフラフラした浮気性。でも一番想っているのは男の土谷で、自分を棚に上げて土谷に独占欲を抱いている。 土谷はあまり…
「愛の深さは膝くらい」の続編、完結巻です。 前巻の、幼さゆえ全力で向かってきながら同時に怖気付く昴と、はじめは生意気な子供を懲らしめがてらイジろうとした大人の石倉の姿は、もうありません。 特に石倉の方が、まっさらな昴を本当に手に入れるために真面目に自分の恋愛感情を認めています。そして卒業まで手を出さないことを決意するんだけど… 辛抱たまらんで野外素股……あ〜こう書くとなんかとてつもなく汚く聞…
禁断の〜(かどうかは最近微妙ですが)教師x生徒(高1)もの。 何が禁断て、大人が手練れで、子供が生意気なんだけど全然幼いのよ。 一歩間違うと、ショタを遊びで散らしちゃう非常識大人の話になってしまう所。 大人・石倉は元々神主の息子で、産休の人の代用教員として高校の先生になりました。生徒の坂下昴ははじめっから凄い悪意を向けてきて…という冒頭。 そう、はじめは反発してるんです。 それが、いつの…
完結巻。 酔った勢いでおでこにチュってした後も逃げの姿勢でいた章造。 対して心がすぐに行動に表れる七海は、お花畑全開で章造との距離を詰めてくる。 そんな時、東京での女友達が章造の部屋に遊びに来てて… 荒れまくる七海。 そして…… 章造と七海の「いよいよ」に萌えて萌えてしょーがなかったです。これぞ胸キュン。 ハラを括った章造の『自由だ』がいい。 その後の章造の人の変わったようなデレデ…
2巻ものの第1巻。 東京の建築会社で働いていた三田章造が、父親が腰を痛めて入院したため、手伝いに一時帰郷するところから物語は始まります。 そこで出会うのが、顔も名前も忘れていた同級生、牛島電気の末っ子・七海。昔は小太りだったのに今は美少年で、かなりの天然。 というより幼い。 記憶力は抜群で、数字に強くて、根気もあって、家の電気屋さんの仕事はできる。でも勉強は苦手でお兄さんたちに守られている…